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海外移住の税金の基本

目次

インターネットの普及により、フリーランスは職種にもよりますが、どこでも好きな場所で仕事ができる環境があります。ビザや時差などの問題などをクリアできれば、海外移住をして働くことも可能です。

今回は海外移住を考えている方に向けて、海外でフリーランスとして働いた場合の税金の考え方の基本を解説していきます。

■納税区分における居住者と非居住者とは

日本の所得税法では、納税区分を居住者と非居住者に分けています。

居住者は国内に「住所」、もしくは1年以上「居所」を持っている人が該当します。ここでいう「住所」とは生活の本拠、「居所」とは生活の本拠に該当しないが、現実に居住している場所です。また、居住者に該当しない人が非居住者です。

海外移住をして、国内に住所や居所を持たなくなれば、非居住者になります。

居住者は、日本国籍を持たず、過去10年以内で日本国内に住所や居所を有していた期間の合計が5年以下である非永住者を除くと、日本国の内外のすべての所得が課税対象です。

参考:国税庁|No.2010 納税義務者となる個人

非居住者の所得税はどうなる?

非居住者に該当すると、原則として居住する国に税金を納めますが、日本国内で発生した国内源泉所得は、日本での課税所得となります。国内源泉所得に該当する所得がある場合は、源泉徴収されるケースと確定申告による申告納税が必要なケースがあります。

参考:国税庁|No.2878 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)

個人事業主に関わるところでは、国内に事務所などの恒久的施設を置いていなければ、原則として日本の企業からの仕事で事業収入を得たとしても、国内源泉所得に該当せず、日本の税金の課税対象にはなりません。ただし、ライターやデザイナーは、日本の企業からの仕事で、報酬が著作権の使用料、または譲渡の対価に該当する場合は、国内源泉所得に当たることから、日本に税金を支払います。この場合は、20.42%の税率で源泉徴収されます。

また、海外に赴任する会社員が海外勤務に対して支払われた給与は、国内源泉所得に当たりません。役員は、海外に支店長といった使用人の場で赴任している場合には国内源泉所得に該当しませんが、役員として報酬を受ける場合には国内源泉所得に該当し、20.42%の税率で源泉徴収されます。

ただし、日本と相手国との租税条約が優先されるため、国内源泉所得に対する税金に関して、軽減・免除が受けられることもあります。

参考:国税庁|No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収

非居住者で確定申告が必要なケース

非居住者で国内源泉所得に当たるため、確定申告が必要となる主なケースとして、国内の資産の保有・運用、あるいは譲渡によって所得を得るケースが挙げられます。海外移住に伴い、これまで住んでいた自宅を貸すケースや売却するケースも該当します。

また、日本国内に住宅などの不動産を所有している場合は、海外移住した後も引き続き、固定資産税や都市計画税を負担することになります。

非居住者の確定申告には納税管理人の選任が必要

海外移住によって非居住者になる場合には、確定申告のために出国前に納税管理人を選任し、税務署への届出を行う必要があります。納税管理人とは、納税者本人に代わって、税務署などからの書類の受領や納税、還付金の受領といった、納税に関する一切の手続きを行う人をいいます。

海外移住後に国内源泉所得を得たことで確定申告を行うケースのほか、年の途中で海外移住した場合も、その年の所得の確定申告が必要なためです。納税管理人を指定しなければ、出国日の分までの所得について確定申告を行ってから、出国しなければなりません。ちなみに、e-Taxを利用できるのは居住者のみであり、非居住者が海外から、e-Taxによる電子申告を行うことはできません。

納税管理人を選任すると、税務署から発送される書類は納税管理人に送られます。納税管理人は日本に住所がある個人・法人であれば、選任することができます。家族以外の納税管理人を選任する場合は、確定申告書の作成や税務相談を依頼するために税理士に依頼するのが一般的です。

納税管理人の選任を行う際には、納税地を管轄する税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出します。

納税管理人の届け出を行わず、確定申告や納税を行わなかった場合には、延滞税や加算税がかかることがある点に注意が必要です。

参考:国税庁|No.1923 海外勤務と納税管理人の選任

海外移住で住民税はどうなる?

住民税は毎年、1月1日現在の住所地の自治体で徴収されます。出国までにその年の分の住民税を納めるか、市町村長へ納税管理人の届出を行う必要があります。

出国した翌年以降の住民税は海外転出届を提出すると、旅行目的の場合を除いて、1年以上海外で暮らす場合には、課税されません。翌年以降の住民税が発生する場合は、納税管理人の届け出が必要です。

海外移住をすると税金関係が複雑になります。脱税状態にならないようにするために、基本的な考え方を理解しておくと安心です。 

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