領収書がない場合の経費の対処方法
目次
経費として支払った費用を計上するには、原則として領収書などの証憑書類が必要です。しかし、経費を支出しても領収書が発行されないケースがあるほか、領収書を紛失してしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は経費の領収書がない場合の対処方法として、領収書の代わりになるものなどについて、解説していきます。
■領収書などの証憑書類の保管が必要
個人事業主も法人も、確定申告の際に税務署に領収書を提出することはありません。
しかし、領収書は、取引の証拠となる証憑書類の一つであり、保管が必要です。請求書や納品書なども証憑書類に該当します。また、税務調査を受ける際には、領収書のない支出は不正な経費計上とみなされるリスクがあるという点を認識しておきましょう。
領収書などの証憑書類は、個人事業主は白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は原則7年間の保存が義務付けられています。青色申告を行っている個人事業主でも、前々年分の事業所得と不動産所得の300万円以下の場合は、保存期間は5年間となっています。
法人も領収書などの証憑書類は、原則として7年間の保存が義務付けられています。ただし、青色申告を行った年度に、欠損金の繰越控除の適用を受けた場合には、10年間の保存が必要です。
(青色申告の繰越控除については、第78回「青色申告の損失の繰越・繰戻しとは?個人事業主と法人の違い」で詳しく解説しています。)
参照:
国税庁|個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について
■領収書の代わりになるもの
商品やサービスを購入した会社から領収書が発行されないケースもありますが、基本的に支払いを行った事実が確認できる書類などがあれば問題ありません。
また、レシートは、店名(社名)や日付、品目、支払い金額などが記載されていれば、領収書と同様に証憑書類として扱われます。レシートがあれば、領収書の発行を依頼する必要はないのです。
<領収書の代わりになるもの>
・請求書、納品書
請求書や納品書は証憑書類となります。
・クレジットカードや電子マネーの利用明細
クレジットカードや電子マネーの利用明細から支払いの事実を確認することはできますが、可能であれば領収書がある方が望ましいです。
・ECサイトで購入した際の利用明細
ECサイトで商品を購入した場合には、ECサイトの利用明細のメール、もしくは商品と同梱されている利用明細書などが証憑書類となります。
・交通ICカードの利用履歴
電車やバスなどの公共交通機関の利用時には領収書は発行されないため、交通ICカードやモバイルアプリを利用している場合は、券売機やWEBサイトから利用履歴を取得します。
・ETCの利用明細
ETCの利用はクレジットカードの利用明細以外にも、ETC利用照会サービスで確認することが可能です。ETC利用照会サービスを利用するには、ETCカードの登録が必要です。
参照:ETC利用照会サービス
・金融機関の振込明細書
金融機関の振込明細書のみでは、何に対する支払い分かわからないため、請求書と一緒に保存しておきます。
・結婚式や葬儀などの案内状、パーティーの招待状、祝儀袋や香典袋のコピー
結婚式や葬儀などの祝儀や香典には明細といったものはないため、案内状や、祝儀袋や香典袋のコピーなどを保存しておきます。
・出金伝票
支払いの証拠となる書類がない場合には、出金伝票を使用します。出金伝票には、日付や支払先の名称、支払い金額、支払いの目的や商品・サービスの内容の記載が必要です。たとえば、自販機で購入した飲み物をクライアントへ差し入れをしたケースや、電車代やバス代を現金で支払ったケースなどが該当します。
■領収書を紛失した場合の対処方法
領収書を紛失した場合は可能であれば、商品やサービスを購入した事業者に再発行を依頼します。ただし、商品やサービスの取引にあたって領収書の発行を求めることはできますが、事業者が再発行に応じる義務はありません。領収書の再発行は脱税などに利用されるリスクがあるほか、取引記録が残っていないといった理由から、再発行に応じない事業者もあります。領収書の再発行に応じてもらえる場合には、不正利用されるリスクを防ぐため、「再発行」と記載されているのが一般的です。
領収書の再発行がされず、領収書の代わりになるものもない場合には、出金伝票を作成しておくことで、税務調査でも認められる可能性があります。
領収書がなくても、ここまで説明してきたように、法人税に関わる経費計上は可能なケースもあります。ただし、消費税に関しては、本則課税の場合には領収書が適格請求書・適格簡易請求書に該当しなければ、仕入税額控除が原則としてできないという点に注意しましょう。
事業に関わる商品やサービスを購入して領収書を受け取った際には、紛失しないように保管しておくことが大切です。領収書のない経費を支払った場合や紛失した場合の対処方法に関して疑問点がある場合は、お気軽にご相談ください。

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