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副業は雑所得?事業所得との違い

目次

個人事業主が事業を通じて得る所得は原則として事業所得になりますが、会社員の副業は事業として認められず、雑所得になることが多いです。

今回は事業所得と雑所得の違いや、事業所得と認められるための判断基準などについて解説していきます。

そもそも事業所得とは

事業所得とは、農業や漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業から生じる所得のこと。ただし、不動産の貸付から生じる所得は不動産所得、山林の譲渡による所得は山林所得になります。

参考:国税庁|No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)

また、事業所得は事業から生じる所得が該当しますが、判例では以下の判断基準が示されています。

“事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得”

引用:裁判所|裁判例結果詳細|最高裁判所判例集(弁護士顧問料事件最高裁昭和56年4月24日判決)

つまり、事業所得は以下を満たす所得が該当します。

・自己の利益を得る目的でリスクを負って独立して営んでいること

・営利目的により、有償で反復して継続的に遂行していること

・客観的に事業を営んでいると認められること

副業は雑所得とされることが多い

会社員の副業と一言でいっても様々な形態があります。退社後や休日に飲食店や物流倉庫などのアルバイトで給与収入を得るケースは給与所得に該当します。

一方、会社員が、「WEBコンテンツのライティングで原稿料をもらう」「ハンドメイド作品をフリマサイトなどで販売する」「アフリエイト収入を得ている」といった副業で収入を得ている場合は、事業所得ではなく雑所得とされることが多いです。

会社員の副業でも事業所得に該当するケースもありますが、「事業規模で行っているか」「独立性があり、反復・継続して行っているか」といった点が、事業所得と認められる判断基準となります。

また、雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。副業による所得のほか、公的年金による所得なども雑所得に該当します。

参考:国税庁|No.1500 雑所得

事業所得と雑所得の違い

事業所得と雑所得は、どちらも収入から必要経費を引くことができるという点では共通しています。

事業所得=総収入金額-必要経費

雑所得=総収入金額-必要経費

ただし、事業所得のみに適用される制度があるという違いがあり、事業所得の方が有利なことがあるため、事業所得と雑所得のどちらに該当するかが問題となることがあります。

<事業所得が有利な点>

1.損益通算

事業所得は赤字となった場合に黒字の他の所得から引くことができます。事業所得が赤字のケースでは、給与所得との損益通算によって所得税や住民税の負担を軽減することが可能です。雑所得は赤字であっても損益通算ができません。

損益通算に関しては、第49回「損益通算できる所得・できない所得とは」で詳しく解説しています。

参考:国税庁|No.2250 損益通算

2.青色申告特別控除

事業所得は青色申告を行う場合に、青色申告特別控除の適用を受けられます。青色申告特別控除は一定の要件を満たすと、最大で65万円の所得控除を受けられる制度です。

青色申告特別控除の対象となるのは、事業所得と不動産所得のみです。

参考:国税庁|No.2072 青色申告特別控除

3.青色申告専従者給与・事業専従者控除

生計を一にする配偶者などの親族への給与は原則として必要経費にはできませんが、事業所得の場合は一定の要件のもと、必要経費に算入できます。

青色申告の場合は青色申告専従者給与として、適正な金額であれば給与額に上限がありません。白色申告の場合の事業専従者控除は、配偶者は86万円、その他の親族は50万円(事業専従者控除前の事業所得等の金額を「専従者の数+1」で割った金額の方が低い場合はその金額)と金額が決められています。

参考:国税庁|No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

4. 純損失の繰越しと繰戻し

事業所得は青色申告でも白色申告でも損益通算が可能ですが、事業所得の赤字が他の所得黒字から控除しきれない場合には、青色申告の場合に限り、純損失の繰越しと繰戻しのいずれの制度を利用できます。

純損失とは、損益通算をしたときに黒字の所得から控除しきれなかった赤字の部分をいいます。純損失の繰越しは、純損失を翌年以降最大で3年間繰り越しできる制度で、将来的に黒字になった年の税金の負担を抑えることができます。また、純損失の繰戻しは、前年も青色申告をしていて黒字であった場合に、前年に純損失を繰り戻すことで、前年分の所得税の還付を受ける制度です。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

5.貸倒引当金

事業所得を青色申告する場合には、取引先の倒産などに備えて、期末の売掛金などの貸金残高合計額の5.5%以下の金額を売掛金などの貸倒れによる損失の見込額として、貸倒引当金を繰り入れた場合に必要経費として認められます。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度 

事業所得と雑所得は線引きが難しいですが、副業も自己の判断にもとづいて、継続して反復して営んでいる場合には事業所得に該当するケースもあります。また、事業所得は青色申告を行うことで有利となります。

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