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贈与税がかからないケースとは?非課税制度等のまとめ

目次

個人間の贈与に対して課税する贈与税は相続税よりも税率が高く、重い税負担となります。しかし、贈与税には様々な特例制度があるため、上手に活用すると税負担を軽減できます。

今回は贈与税の非課税制度についてまとめました。

そもそも贈与税とは?暦年贈与は年間110万円以下は非課税

贈与税とは、個人から財産を無償で受け取ったときに、受け取った側にかかる税金です。

ただし、贈与税の基本となる暦年課税という方式では、1月1日から12月31日の1年間に年間110万円の基礎控除額が設けられています。そのため、1年間に贈与を受けた額の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。

参考:国税庁|贈与税がかかる場合

また、暦年課税の贈与税の税率には、一般税率と特例税率が設けられています。

<贈与税の速算表>

◎一般税率

◎特例税率(18歳以上の人が父母や祖父母といった直系尊属から贈与を受けた場合)

引用:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

生活費や教育費、お年玉、祝儀金、香典などは非課税

1年間に受け取った財産が暦年課税の基礎控除額110万円を超えた場合でも、目的や性質によっては贈与税がかかりません。

最たる例が夫婦や親子、兄弟姉妹といった扶養義務者から受け取った生活費や教育費です。ただし、贈与税がかからないのは、必要な都度受け取ったケースに限られます。生活費や教育費の名目で受け取っても、貯金をしたり、株式投資などに充てたりしている場合は贈与税の対象となります。

このほかにも、国税庁による法令解釈通達において「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」は、贈与税がかからないものとして規定されています。そのため、お年玉や結婚式などの祝儀金、香典、見舞金などには贈与税はかかりません。

引用:国税庁|No.4405 贈与税がかからない場合

生活費や教育費の仕送りについては第50回「親から子への仕送りに贈与税はかかる?」、クリスマスプレゼントやお年玉については第42回「高価なクリスマスプレゼントやお年玉に贈与税はかかる?」で、贈与税の取扱いに関して詳しく解説しています。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、18歳以上の子や孫に対する60歳以上の父母や祖父母などの直系尊属からの贈与が対象です。累計で2,500万円の特別控除額までの贈与には贈与税が課税されず、贈与者が亡くなった時点で贈与された財産を相続財産に加えて、相続税を精算する制度です。贈与額が2,500万円を超えた分には、一律20%の贈与税が発生します。

令和5年度(2023年度)税制改正によって、2024年1月から相続時精算課税制度にも基礎控除額110万円が設けられました。

相続時精算課税制度は贈与者ごとに暦年課税との選択制となり、選択した年以降は暦年課税へ変更できなくなります。

相続時精算課税制度は相続税よりも税率が高い贈与税の非課税枠を設けた制度ではありますが、将来的に相続税の課税対象になります。

参考:国税庁|No.4103 相続時精算課税の選択

相続時精算課税制度について詳しくは、第12回「年間110万円の基礎控除が創設!相続時精算課税制度の改正とは」をご参照ください。

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除は、いわゆる“おしどり控除”と呼ばれるものです。

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産や居住用不動産を取得するための金銭を贈与した場合に、2,000万円まで控除できるという特例が設けられています。贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住するなどの条件があります。

参考:国税庁|No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例は、令和6年度(2024年度)税制改正によって、2026年12月31日まで延長されました。2024年1月1日~2026年12月31日に贈与を受けた場合は、省エネ住宅等は1,000万円、その他の住宅は500万円までが非課税となります。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例は、18歳以上の子や孫に対する直系尊属である父母や祖父母からの贈与が対象です。また、贈与を受けた年の合計所得2,000万円以下、床面積が50平米以上(合計所得1000万円の受贈者は床面積40平米以上50平米未満も含む)といった要件が設けられています。

参考:国土交通省|住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度

父母や祖父母が教育費を必要になる都度、支払う場合は扶養義務によるため、贈与税はかかりません。しかし、数年分の教育費をまとめて受け取ると、すぐに教育費として使わない分が贈与税の課税対象となる可能性があります。

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度を利用すると、非課税で教育資金の一括贈与が可能となります。令和5年(2023年)税制改正によって、2026年3月31日まで延長されました。

30歳未満の子や孫などが父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けるケースが対象で、1,500万円まで非課税で贈与を受けることができます。教育資金の対象になるのは、入学・入園の検定料や入学金・入園金、学費・保育料のほか、500万円を限度に塾や習い事の月謝、通学定期代といった学校以外の支払いに充てることができます。

2019年4月以降は子や孫など教育資金を受け取る受贈者は、前年の合計所得が1,000万円以下という要件が設けられました。

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度を利用するには、受贈者が信託銀行などの金融機関で教育資金口座を開設し、教育資金の領収書などを提出して払出を受けます。受贈者が30歳になった時点で残金がある場合には、贈与税が課税されます。2023年4月1日以降に贈与された分は、特例税率ではなく一般税率の適用となる点に注意が必要です。

また、贈与者が亡くなった場合は、教育資金口座の残金に対して、受贈者が23歳未満の場合などを除いて、相続税の課税対象となります。

参考:国税庁|祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度については詳しくは、第51回「2026年3月末まで!教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度とは」をご参照ください。 

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度

父母や祖父母からの結婚資金や子育て資金を受け取る場合も、必要な都度、支払いを受ける場合には贈与税はかかりませんが、一括して受け取ると、すぐに使わない分は贈与税の課税対象となる可能性があります。

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度を利用すると、18歳以上50歳未満の子や孫は、父母や祖父母などの直系尊属から、結婚資金や子育て資金として1,000万円まで非課税で贈与を受けられます。そのうち、結婚資金として利用できるのは300万円までです。令和5年(2023年)税制改正によって、2025年3月31日まで延長されました。

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度も、2019年4月以降は子や孫など教育資金を受け取る受贈者は、前年の合計所得が1,000万円以下という要件が設けられています。

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度を利用するには、信託銀行などの金融機関で結婚・子育て資金口座の開設が必要です。結婚資金や子育て資金の払出を受けるには、金融機関に領収書などを提出します。

受贈者が50歳になった時点で結婚・子育て資金口座に残額がある場合には、贈与税が課税されます。2023年4月1日以降に贈与された分は一般税率の適用となります。

また、贈与者が亡くなった時点で結婚・子育て資金口座に残額がある場合は、相続税の課税対象となります。

参考:国税庁|父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度について詳しくは、第69回「結婚式の援助に贈与税はかかる?結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度とは」をご参照ください。

特定障害者に対する贈与税の非課税

障害者のうち特定障害者に該当する人への生活費などに充てるために信託契約による贈与を行う場合には、3,000万円または6,000万円までを非課税で贈与できる制度があります。

参考:国税庁|障害者と税

相続税の節税目的で生前贈与を行う場合には、どの制度を利用すると有利になるかはケースバイケースです。今回紹介した贈与税の非課税制度等の利用や贈与税の申告などに関して、別途お気軽にご相談ください。

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