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タンス預金のリスクとは?相続税対策はNG

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年末年始に家族で集まり、親の財産管理について話を聞く機会があった方もいるのでは。タンス預金はそれ自体に問題はありませんが、「現金で持っていればバレない」と考えて、相続対策にするのはNGです。

タンス預金をする人がなぜいるのかメリットを押さえたうえで、タンス預金のリスクについて考えていきます。

■いわゆる「タンス預金」とは

一般的にタンス預金とは、自宅にまとまった金額の現金を保管すること。昔はお金をタンスにしまい込むことが多かったことが、タンス預金と呼ばれる理由です。お金の保管場所はタンスに限らず、クローゼットはもちろん、仏壇や冷蔵庫、金庫、あるいは庭に埋めておくのも、タンス預金に該当します。

2024年7月に新札発行が予定されていますが、お札の偽造防止のほかに、タンス預金のあぶり出しも目的の一つではないかといわれています。新札発行後も旧札を使用することはできますが、新札への入れ替えがタンス預金のあぶり出しにつながるためです。

■タンス預金にメリットはある?

タンス預金として自宅へお金を保管しておくことには、主に3つのメリットがあります。

1つ目はお金が手元にあるので、いつでもすぐに使えること。タンス預金なら、お金が必要なときに銀行などの金融機関やATMに行く手間がかからず、営業時間を気にする必要がありません。いつでも急な支払いに対応できるという安心感があります。

2つ目は、銀行が破綻したときの影響を受けないこと。銀行が倒産すると、預金保護制度によって、利息のつかない当座預金は全額保護されます。普通預金や定期預金で保護の対象となるのは、1つの金融機関で1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息です。1つの金融機関で元本1,000万円を超える預金をしている場合には、一部は支払われない可能性があります。タンス預金なら金額に関わらず、銀行の破綻の影響を受けずに資産を維持することができます。

3つ目は、亡くなったときに被相続人の銀行口座が凍結され、家族が困るのを避けられること。亡くなると被相続人の銀行口座は遺産分割協議が終わるまで凍結されるため、現金を引き出すことができなくなります。しかし、亡くなるとすぐに葬儀費用が必要になります。タンス預金として手元にまとまった現金があれば、支払いに困るといった事態を避けられます。

参考:金融庁|預金保険制度

■タンス預金で想定されるリスク

ただし、タンス預金にはメリットがあるものの、リスクがあることを認識しておくべきです。その理由として、主に2つが挙げられます。

1つ目は盗難や災害のリスクです。数百万円を盗まれても、一般的な火災保険の盗難補償で補償されるのは20万円までです。また、火災や災害で現金を失っても、原則として火災保険の補償の対象にはなりません。

2つ目は相続時にトラブルが起こるリスクが挙げられます。タンス預金は、相続人の全員、あるいは一部が、正確な金額を把握していないことや、その存在を知らないことが考えられます。そのため、相続人のうちの誰かが他の相続人の同意を得ずに、持ち去ってしまうリスクがあります。あるいは、相続税の申告・納税後にタンス預金が見つかった場合には、遺産分割協議をやり直さなければなりません。

このほかには、現金で保有することによる物価上昇のリスクも挙げられますが、低金利時代のため、普通預金で持っている場合とはさほど大きな差はないといえます。

■タンス預金は相続税対策にはならない

「タンス預金は記録がなく、いくら貯めているのかわからないので、相続時にバレないのでは?」と考える人もいます。しかし、タンス預金を相続財産に意図的に含めずに相続税の申告を行うのは、脱税に当たる違法行為です。

そもそも、タンス預金を隠して相続税の申告を行うと、税務調査でバレる可能性があります。タンス預金を見抜くために税務調査官が活用しているとされているのは、全国524の税務署と12の国税局をネットワークで結ぶKSKシステム(国税総合管理システム)です。

税務調査官はKSKシステムを通じて、個人の所得の申告や納税の事績、財産などの情報を把握し、おおよその相続財産を推測します。そして、相続税の発生が推測されるにも関わらず申告が行われていないケースや、相続税の申告書に記載されている相続財産との乖離が大きいケースでは、無申告や過少申告が疑われるため、税務調査に入るとされています。

税務調査では、亡くなった被相続人の通帳をチェックし、まとまったお金を下ろしたときの用途などを聞いて、不審なお金の流れがないか、確認が行われます。

万が一、タンス預金による脱税が発覚すると、本来納める相続税と延滞税を納めるほか、無申告加算税、または過少申告加算税の対象となり、悪質とされるケースでは重加算税が課税されることがあります。さらに、脱税は刑事罰が課されるリスクもあるのです。

タンス預金を含めた相続財産が相続税の基礎控除額を上回る場合には、正しく申告を行いましょう。相続税については、前回の「【相続税の基礎知識】税金のかからない範囲や計算方法は?」で詳しく紹介しています。

参考:

財務省|国税総合管理(KSK)システムの概要

タンス預金を相続財産に含めないのは、脱税になります。タンス預金を含め相続税の申告などで、お困りのことがありましたら、別途お気軽にご相談ください。

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