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個人事業主の所得税の予定納税とは?

目次

3月は確定申告の時期ですが、個人事業主で一定以上の所得がある場合には、予定納税の対象となる可能性があることをご存じでしょうか。

今回は予定納税の対象者や納付時期、計算方法などについて解説していきます。

■予定納税とは

予定納税とは、5月15日の時点で確定している前年分の所得税額が一定以上の場合に、その年の所得税の一部を前払いする制度です。

予定納税は納税者が1回で多額の税金を支払う負担を緩和するとともに、国の歳入の平準化を図ることが目的とされています。予定納税は納付義務があるため、納期限までに納めなかった場合には延滞税を課されます。

参考:国税庁|No.2040 予定納税

■予定納税基準額の計算方法と対象者の基準

原則として、「前年分の申告納税額=予定納税基準額」となり、予定納税基準額が15万円以上の場合は予定納税の対象者となります。

前年分の申告納税額・予定納税基準額=前年分の(所得税+復興特別所得税)―前年分の源泉徴収税額

前年の所得税と復興特別所得税の税額の合計が15万円を超えていても、源泉所得税額を引くと15万円以下になる場合は予定納税の対象外です。源泉所得税も所得税の前払いの性質を持っているためです。

例外として、山林所得や退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除く)、譲渡所得、一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得がある場合は申告納税額=予定納税基準額とならないため、注意が必要となります。課税所得金額からこれらの所得の金額を引いて、所得税・復興特別所得税を算出し、源泉所得税額を引いた金額が予定納税基準額となります。

また、前年分の所得に関して、外国税額控除の適用を受けているケースや災害減免法の規定の適用を受けているケースは、適用を受けていなかったものとして計算します。

■予定納税の納期と支払い方法

予定納税の対象者は特別な手続きが必要になるわけではありません。予定納税の対象者には、毎年6月中旬頃に予定納税通知書が届きます。

予定納税の納期は「第1期:7月1日〜7月31日」「第2期:11月1日〜11月30日」の2回あります。予定納税額はそれぞれ予定納税基準額の3分の1相当額です。

予定納税の納付には様々な支払い方法があり、振替納税を利用している場合は金融機関の口座から引き落としされます。e-taxを利用したダイレクト納付やインターネットバンキングによる電子納税、金融機関や税務署の窓口での納付といった方法もあります。納付金額が30万円以下の場合には、スマホアプリやコンビニで納付する方法もできます。このほかにはクレジットカードによる納付もできますが、決済手数料がかかります。

■予定納税で支払い過ぎた場合は確定申告で還付

確定申告において所得税と復興特別所得税を計算し、第1期・第2期の予定納税額を差し引いて精算します。

所得税と復興特別所得税の申告納税額が予定納税額を上回る場合は差額を納付します。一方、今年の所得が前年よりも大きく減少し、予定納税額が申告納税額を上回り、払い過ぎとなっているケースでは、還付されます。

還付される場合には、利息として還付加算金が上乗せされる可能性があります。還付加算金の利率となる2023年・2024年の還付加算金特例基準割合は年0.9%です。

参考:財務省|延滞税・利子税・還付加算金について

■予定納税は減額申請が可能

予定納税の対象者が業績不振などによって、前年よりも明らかに所得が少なくなることが見込まれる場合には、減額申請を行うという選択肢もあります。減額申請が承認されると、予定納税額が減額されます。

予定納税によって所得税を払い過ぎている場合には、確定申告によって還付を受けられるため、損をすることはなく、還付加算金が上乗せされることもあります。しかし、予定納税額を納期内に納付できない場合には、延滞税が課されてしまうため、支払いが厳しい場合は減額申請を行うのが得策といえます。

予定納税の減額申請はe-taxを利用するか、管轄の税務署に郵送または持参します。減額申請は第1期・第2期の両方、または第2期のみを行うことが可能です。第1期・第2期の予定納税の減額申請の提出期間は、7月1日から7月15日までで、6月30日時点の所得税の見積額が予定納税基準額よりも低くなる場合に申請できます。第2期のみの減額申請を行う場合には、11月1日から11月15日までが提出期間となり、10月31日時点の所得税の見積額が対象となります。

予定納税の減額申請の提出書類は、「予定納税額の減額申請書」と「申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類」です。「申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類」として提出するのは、6月30日、または10月31日時点までの損益計算書などになります。

予定納税の減額申請はあくまでも予定納税額が減額されるもので、所得税や復興特別所得税の納付額がトータルで変わるわけではないという点に注意が必要です。

参考:国税庁|A1-3 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続

確定申告の手続きが完了した後、予定納税の対象になるか気になる方、あるいは予定納税の対象となって減額申請をされたい方など、何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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