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損益通算できる所得・できない所得とは

目次

事業所得や不動産所得など所得の種類によっては、赤字が出ている場合に他の所得との損益通算を行うことで、所得税や住民税の負担を抑えることができます。

今回は損益通算できる所得とできない所得を取り上げ、損益通算の方法についても簡単に触れていきます。

■損益通算とは

損益通算とは1年間の所得のうち、赤字の所得を他の黒字の所得から引くことをいいます。

損益通算によって課税所得が減るため、税金の負担を抑えることができます。ただし、損益通算できる所得の種類は決まっています。

参考:国税庁|No.2250 損益通算

■損益通算できる所得と例外

赤字になった場合に損益通算できる所得は次の4種類です。

<損益通算できる所得>

・事業所得:事業を営むことによる所得(不動産の貸付や山林譲渡を除く)

・不動産所得:土地や建物など不動産の貸付による所得

・譲渡所得:土地や建物、株式、ゴルフ会員権などの資産の譲渡による所得

・山林所得:伐採した山林、あるいは立木の譲渡による所得

ただし、不動産所得と譲渡所得は赤字の内容によっては、例外的に損益通算できないものがあります。

<不動産所得で損益通算できない主なもの>

・通常、生活に必要ない別荘などの資産の貸付にかかわるもの

・土地の取得のための借入金の利子に相当する額

・2021年以降、国外の中古建物から生じた不動産所得の損失のうち、耐用年数を簡便法などによって算出した減価償却費に相当する額

<譲渡所得で損益通算できないもの>

・趣味や娯楽、保養、鑑賞などを目的した通常、生活に必要ない資産の譲渡によるもの

・申告分離課税の株式などの譲渡によるもの(利子所得と損益通算できるケースあり)

・土地、建物の譲渡によるもの

■損益通算できない所得

損益通算できない所得には次の6種類があります。

<損益通算できない所得>

・利子所得:預貯金や公債、社債の利子、公社債投資信託など収益の分配による所得

・退職所得:勤務先の退職による退職金などの所得

・配当所得:株式の配当、公募株式投資信託の収益の分配などによる所得

・給与所得:勤務先から受け取る給与や賞与による所得

・一時所得:営利目的の継続的行為から生じた所得以外で、労務や役務、あるいは資産の譲渡の対価ではない所得

・雑所得:いずれにも当てはまらない所得

このうち、利子所得や退職所得、配当所得、給与所得はマイナスになることがありません。一時所得や雑所得はマイナスになることもありますが、赤字であってもゼロとみなされるため、損益通算の対象外です。

■損益通算の順序

第1グループ、第2グループ、山林所得、退職所得という分類によって、損益通算を行う順序が決まっています。

第1グループに入るのは「事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・給与所得」で、事業所得と不動産所得の損益通算ができます。第2グループは「総合課税の譲渡所得・一時所得」です。総合課税の譲渡所得は、短期譲渡所得、長期譲渡所得の順に、一時所得から差し引きます。短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いは、所有期間によるものです。

引き切れない損失が残っている場合には、第1グループと第2グループの間で損益通算を行うことができます。

それでも、引き切れない所得がまだ残る場合は、山林所得、退職所得の順に差し引きます。

また、山林所得が赤字の場合は、第1グループ、第2グループ、退職所得の順に引いていきます。

■【ケース別】損益通算の方法

他の所得と損益通算できるもの・できないものについて、具体的な例を挙げて解説していきます。

<起業1年目の事業所得の赤字>

1年の途中で会社を辞めて個人事業主として起業した場合は、会社からの給与などによる給与所得と、事業による事業所得を得ていることになります。事業所得が赤字の場合は、給与所得などとの損益通算ができます。

<マンション投資による不動産所得の赤字>

国内のマンションの一室を購入して賃貸経営を行うなど、不動産投資による赤字は事業所得や給与所得などと損益通算できます。

ローンを利用して物件を購入したときの利息は通常、必要経費に入れることができます。ただし、赤字の場合は建物部分の借入金の利息は損益通算の対象になりますが、土地部分の借入金の利息は損益通算の対象外です。

<マイホーム売却の損失>

土地や建物の売却による損失は、土地や建物の譲渡所得としか損益通算ができません。

マイホーム売却に関しては、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が設けられていましたが、2023年12月31日までの売却が対象でした。

<株式投資の損失>

上場株式の売却による損失は「申告分離課税の株式等の譲渡所得」に該当し、他の所得と損益通算することができません。他の口座の上場株式や債権、投資信託の譲渡所得と損益通算することは可能です。

また、上場株式の配当所得があるケースで申告分離課税を選択している場合は、配当所得と損益通算できます。

<FXによる損失>

FXによる所得は「先物取引に係る雑所得等」という区分です。雑所得のため、他の種類の所得と損益通算することはできません。先物取引に係る雑所得等に該当するFX取引、取引所商品先物取引、取引所金融商品先物取引による損益金を通算することは可能です。

損益通算の仕組みを理解すると、所得税や住民税の負担を抑えることができます。損益通算の対象となる所得について、何かわからないことがございましたら、お気軽にご質問ください。

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