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「経営・管理(経営管理ビザ)」の許可基準の5つの改正点

目次

ペーパーカンパニーの設立によるビザの不正取得を防止し、事業の安定性と信頼性を確保するため、2025年10月から在留資格「経営・管理(経営管理ビザ)」の許可基準が改正され、厳格化されました。

今回は「経営・管理」の許可基準の改正点について取り上げ、税理士事務所として関連性が深い部分を掘り下げていきます。

■在留資格「経営・管理」の許可基準の厳格化でどう変わった?

〈在留資格「経営・管理」の許可基準の改正点〉

在留資格「経営・管理」の許可基準の改正点は5つあります。1つ目は資本金等の引き上げで、資本金・出資総額が500万円から3000万円に大幅に引き上げられました。

2つ目は1人以上の常勤職員の雇用の義務化です。改正前は2人以上の雇用が資本金の代替条件として設けられていたため、常勤職員の雇用は必須ではありませんでした。また、常勤職員は日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者に限られるため、該当する人材の確保が必要となります。

3つ目は日本語能力要件の新設です。申請者、または常勤職員のいずれかが、CEFR・B2相当程度の日本語能力を有することが求められます。⽇本人と特別永住者以外は、「公益財団法人⽇本国際教育⽀援協会・独⽴⾏政法人国際交流基⾦の⽇本語能⼒試験(JLPT)N2以上」 「公益財団法人⽇本漢字能⼒検定協会のBJTビジネス⽇本語能⼒テスト400点以上」「中⻑期在留者として20年以上在留」「日本の大学等高等教育機関を卒業」「日本の義務教育を修了し高等学校を卒業」のいずれかを満たしているか確認が行われます。

4つ目は経歴・学歴要件の新設で、申請者は「経営・管理経験3年以上」または「経営管理、もしくは経営する事業分野に関する修士相当以上の学位を取得」のいずれかを満たしている必要があります。経営・管理経験には、在留資格「特定活動」にもとづく起業準備活動も含まれます。

5つ目は事業計画書の専門家確認の義務化です。※上場企業相当規模の場合等を除いて、新規事業計画について経営に関する専門的な知識を有する者の確認が必要となりました。

参照:

出入国在留管理庁|「経営・管理」の許可基準等の改正について

出入国在留管理庁|「経営・管理」許可基準に係る見直しについて

■資本金等の要件の個人事業主・法人の違い

資本金・出資総額の要件は、個人事業主と法人では含まれる範囲が異なります。

法人は、株式会社は払込済資本の額(資本⾦の額)、合名会社・合資会社・合同会社は出資の総額です。つまり、登記事項証明書に記載された払込済資本金の額(出資総額)が3000万円以上であることが条件です。

一方、個人事業主は事業所の確保や雇⽤する職員の1年間分の給与、設備投資経費など、事業を営むために必要なものとして投下されている総額が該当します。

法人も先に行った設備投資費用などが含まれると誤解されることがありますが、法人は資登記上の払込済資本金の額のみで3,000万円以上という条件を満たす必要があります。

また、複数の会社の経営・管理に従事するケースでは、それらの会社の資本金を合算して3000万円以上となっても認められず、いずれかの会社の資本金が3000万円以上である必要があります。

参照:出入国在留管理庁|在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について

■事業計画書を確認する専門家とは

事業計画書の専門家確認について、現時点では専門家として認められているのは、中小企業診断士・公認会計士・税理士の3者のみです。海外の免許の保有者は認められず、日本の資格の有資格者である必要があります。

また、申請者が経営する会社の役員や顧問、従業員は客観性を確保するために認められませんが、外部顧問の公認会計士や税理士は認められます。

参照:出入国在留管理庁|在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について

■「経営・管理」の許可基準の改正の経過措置

「経営・管理」の許可基準の改正にあたっては経過措置が設けられています。施行日(2025年10月16日)から3年間の在留期間更新許可申請では、改正後の許可基準に適合しない場合も、経営状況や改正後の許可基準に適合する⾒込み等を踏まえて、許否判断が行われます。

施行日から3年間を経過後の在留期間更新許可申請では、改正後の許可基準に適合する必要があります。ただし、改正後の許可基準に適合しない場合も、経営状況が良好で法人税等を適切に納付し、次回更新時までに改正後の許可基準を満たす見込みがある場合には、在留状況を総合的に考慮して許諾判断が行われるとされており、更新が認められる余地が残されています。

参照:出入国在留管理庁|「経営・管理」の許可基準等の改正について

実際には長年、日本で飲食店を営んできた外国人が「経営・管理」の許可基準の厳格化によって帰国を余儀なくされているというニュースが報じられ、賛否両論があります。外国人による日本での起業による在留は、一つの転換期を迎えているといえます。

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