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給付付き税額控除とは?導入によるメリットと課題

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政府および与野党において、2026年中の給付付き税額控除の制度設計を目指す動きが本格化しています。物価高が続くなか、給付付き税額控除は一時的な措置ではなく、所得の再分配を目的とした恒久的な制度として導入が検討されています。

これまで現金給付は「バラマキ」と揶揄されることがありましたが、違いはあるのでしょうか。今回は給付付き税額控除について、仕組みや課題などを解説していきます。

■給付付き税額控除とは

給付付き税額控除とは、税額控除と現金給付を組み合わせた制度です。所得税額から一定額を控除する税額控除を行い、所得税から控除しきれなかった分に関して現金給付を行います。

10万円の給付付き税額控除の場合を例に挙げて、納税額による違いを見ていきます。

〈給付付き税額控除による税額控除と現金給付のイメージ〉

◎10 万円の給付付き税額控除

Aさんは納税額15万円から10万円が控除されるため、納税額は5万円となります。納税額から満額の10万円を控除しているため、現金給付はありません。

Bさんは納税額6万円の全額が控除されるため、納税額はゼロとなります。そして、税額控除では引きれなかった4万円が給付されることになります。

Cさんは納税額がゼロのため、税額控除は行われません。10万円の現金給付が行われます。

この例で見ていくと、Aさん・Bさん・Cさんのいずれも、控除額と給付額を合計すると10万円です。所得が低いほど現金で受け取る割合が増えるという違いはありますが、所得に関わらず、同額の恩恵を受けられることになります。

ただし、給付付き税額控除の対象となる所得が制限される可能性があり、一定以上の所得の人には税額控除も現金給付も行われないことも考えられます。あるいは、子育て世帯や低所得者への給付を手厚くする制度設計が行われることも想定されます。

■従来の税額控除や現金給付との比較によるメリット

給付付き税額控除のメリットについて、従来から経済対策として実施されていた税額控除や現金給付との比較から見ていきます。

従来の税額控除では、低・中所得者は所得税から控除額を引ききれないことから、控除を活かしきれず、納税額が少ないほど恩恵が小さいという不公平感がありました。非課税世帯には恩恵はありません。

これに対して、給付付き税額控除では、控除しきれなかった分が現金として給付されることから、非課税世帯を含む低所得者に手厚い支援を行えるというメリットがあります。

また、国民に対する一律の現金給付は公平な制度ではあるものの、膨大な予算を必要とすることから、一人当たりの給付額が少なくなり、財源を効率よく活用できないという課題があります。そのため、現金給付は一時的なバラマキと非難されることもありました。

あるいは低所得者、もしくは低・中所得者に絞って現金給付を行う場合には、年収による基準をわずかに超えた場合には給付が受けられず、手取り額の逆転現象が起こることがあります。現金給付と税額控除を組み合わせた給付付き税額控除であれば、所得に応じて緩やかに給付額を変えていく、段階的な制度設計も可能です。

■実現には国民の所得を把握するシステムが必要

給付付き税額控除は、従来の現金給付や税額控除における課題を解決する制度として期待されていますが、導入にあたってはいくつかの課題があります。

給付付き税額控除を導入するには、国民一人ひとりの所得の正確な把握が不可欠です。しかし、現状では国が国民の総所得を一元化して把握する仕組みがなく、大きな課題となっています。

実際に2024年に定額減税と控除しきれなかった人を対象とした調整給付が実施された際には、混乱が起きました。企業の給与計算が煩雑となり、自治体では所得税を推測して調整給付の対象者を判定するという、通常は行わない作業が発生しました。

恒久的な制度として給付付き税額控除を実現するには、国が国民の所得のデータベースを作り、マイナンバーと紐づけて管理する仕組みが必要です。各自治体は住民税の申告に関連して住民の所得を把握しているため、これをマイナンバーと紐づけるシステムを構築する必要があります。

こうした課題から、仮に給付付き税額控除の導入が決定しても、システムの構築には時間がかかります。さらにマイナンバーの活用に対して国民の理解を得ることがハードルとなることも考えられることから、迅速な実現は難しいとされています。

このほかには、給付付き税額控除を実現するための財源の確保も課題となります。また、所得や家族構成などによって、段階的に差をつける仕組みとする場合には、制度がより複雑化します。

実際に給付付き税額控除が導入されるかはまだまだ不透明です。制度の実現はさておき、国民一人ひとりが正確に税務申告を行うことが望まれています。

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