香典に税金はかかる!?相続税から控除可能な葬式費用とは
目次
通夜や葬儀を執り行う際には参列者から香典を受け取りますが、香典に税金はかかるのでしょうか。参列者の人数や葬儀の規模によっては、香典として受け取った金額が葬式費用を上回ることにあります。
今回は香典にまつわる税金について解説し、葬式費用は相続財産からの控除が可能なことについても取り上げていきます。
■香典は原則として非課税
そもそも香典は誰のものなのでしょうか?通夜や葬儀で会葬者から受け取る香典は、故人の霊前に供える金銭のため、「故人のもの」と思われるかもしれません。
しかし、香典を受け取るのは遺族の代表として通夜や葬儀を取り仕切る喪主であり、香典は「喪主のもの」です。そのため、香典は相続税の課税対象にはならず、遺産分割の対象には含まれません。
また、個人から贈与された財産には贈与税が課税されますが、原則として香典は非課税です。香典に関する贈与税の取り扱いに関しては、相続税法基本通達において、以下のように示されています。
(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)
21の3-9 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。
引用:国税庁|相続税法基本通達|第21条の3《贈与税の非課税財産》関係
さらに法人から財産の贈与を受けると所得税の課税対象となりますが、香典に関しては所得税基本通達において以下のように示され、非課税の取り扱いとなります。
(葬祭料、香典等)
9-23 葬祭料、香典又は災害等の見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、令第30条の規定により課税しないものとする。
引用:国税庁|所得税基本通達|保険金、損害賠償金等(第18号関係)
香典から相続税も贈与税も所得税も原則として課税されず、香典が葬式費用を上回る場合も同様です。
ただし、相続税法基本通達にも所得税法基本通達にも、香典が非課税となるのは「社会通念上相当と認められるもの」と規定されています。贈与者との関係や社会的地位にもよりますが、高額な香典には贈与税、または所得税が課税される可能性があります。
また、社葬で法人が喪主となり、香典を遺族に渡さずに法人が受けとったケースでは、法人税の課税対象となります。
■葬式費用は相続財産から控除可能
さらに葬式費用は相続財産から控除できることが、相続税法第13条によって規定されています。葬式費用に該当する費用については、相続税法基本通達によって示されていいます。
(葬式費用)
13-4 法第13条第1項の規定により葬式費用として控除する金額は、次に掲げる金額の範囲内のものとする。
(1) 葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その両者の費用)
(2) 葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
(3) (1)又は(2)に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
(4) 死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用
具体的には葬式費用に含まれるのは以下の費用です。
・葬儀会社へ支払った通夜・告別式の費用
・寺や神社、教会などへ支払ったお布施、戒名料、祭祀料、献金などの費用
・通夜・葬儀に関わる飲食費用(通夜振る舞いや精進落としの費用のほか、コンビニやスーパーで購入した飲食物の費用を含む)
・通夜・葬儀の手伝いの人への心付け、運転手へのお車代
・通夜や葬儀の参列者への会葬御礼費用
・遺体の捜索費用
・火葬や埋葬、納骨の費用
・遺体や遺骨の運搬費用
・医療機関の死亡診断書の発行費用
一方で、墓地や墓石の購入費用や初七日にかかった費用は、葬式費用に含めることはできません。
■香典返し費用・会葬御礼費用の扱い
混同しがちなのが香典返しと会葬御礼にかかる費用の扱いです。
会葬御礼とは、通夜や葬儀の参列者に参列のお礼として渡す品を指します。会葬礼状と500円~1000円程度の品物、宗派にもよりますが清めの塩を当日渡すのが一般的です。香典返しは、本来は(仏教の場合で)49日の法要を終えた忌明け後に、香典に対するお礼として送るものでしたが、最近では葬式の当日に渡すケースも多くなっているようです。
会葬御礼費用は先述したように、原則として葬式費用に含めて相続財産から控除することが可能です。これに対して香典返し費用は、相続財産から控除することができません。
ただし、会葬御礼費用を葬式費用に含めることができるのは、会葬御礼とは別に香典返しを渡している場合に限られます。香典返しを行っていないケースでは、会葬御礼費用が香典返しとみなされるためです。
香典は施主のものですが、原則として贈与税などは課税されないものの、高額な場合には贈与税の課税対象となる可能性があります。香典に関わる税金や相続税に関して、何かお困りごとがございましたら、別途お気軽にご相談ください。

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