topics

トピックス

  • ナレッジ

中小企業の法人税の軽減措置の延長と改正点

目次

令和7年税制改正において、中小企業の法人税の税率の軽減税率の特例が2年延長されました。ただし、一部の法人は適用される軽減税率が引き上げられ、軽減税率の特例の適用対象から外れる法人もあります。

今回は法人税の基本を押さえたうえで、令和7年税制改正による法人税の軽減税率の特例の延長の変更点などについて解説していきます。

■法人税の課税対象となる法人

法人税とは、法人が事業活動によって得た所得に対して課される税金です。個人事業主が所得に対して課税される税金は所得税です。また、法人には法人税以外にも、法人住民税と法人事業税が課税され、法人3税と呼ばれています。

法人税は原則として事業年度ごとに課税されます。税務上赤字の事業年度は、法人税は発生しません。

ただし、法人税はすべての法人のすべての所得に課税されるわけではありません。法人の種類によって、法人税が課税される範囲が異なります。

【すべての所得に対して課税】

・普通法人:公共法人・公益法人等・人格のない社団等・協同組合等を除く法人

→株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、有限会社、医療法人など

・協同組合:農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合、信用金庫など

【収益事業から生じた所得のみに課税】

・公益法人等:社会医療法人、学校法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、宗教法人、特別非営利活動法人(NPO法人)、認可地縁団体など

・人格のない社団等:PTA、同窓会、同業者団体、マンション管理組合など

【納税義務なし】

・地方公共団体、日本放送協会、株式会社日本政策金融公庫、国立大学法人、地方独立行政法人、日本年金機構、日本中央競馬会など

参照:国税庁|1 法人税の基本的な仕組み

■法人税が課税される所得の計算方法

法人税は、商品の売上収入や不動産の売却収入といった益金から、売上原価や販売費などの費用や災害などによる損失といった損金を引いた所得に対して課税されます。

ただし、所得金額は必ずしも企業会計上の収益や費用とは一致しません。一部の引当金への繰入額や一定額を超える交際費、寄附金の支出額は企業会計上の費用になりますが、税務上の損金にはなりません。引当金とは、来期以降に支出が予測される費用や損失に備えて、準備しておく見積額です。

一方で、欠損金の繰越控除や受取配当等の額、租税特別措置による所得控除などは、税務上の損金になりますが、企業会計上は費用になりません。欠損金とは、益金から損金を引いてマイナスになった金額、すなわち赤字を指し、青色申告を行う法人は最大で10年、翌年以降に繰り越すことができます。

参照:国税庁|No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

(欠損金の繰越控除については、第78回「青色申告の損失の繰越・繰戻しとは?個人事業主と法人の違い」で詳しく解説しています。)

■中小法人等の軽減税率の特例の延長と変更点

<普通法人の法人税率>

法人税の税率は原則として、23.2%です。中小法人は年800 万円以下の部分に対して軽減税率が設けられ、本則税率は19%です。ただし、リーマンショック以降、資力が低い中小法人の税負担を軽減するため、軽減税率の特例税率15%が時限措置として適用されてきました。中小法人に該当するのは、資本金1億円以下の法人などです。

令和7年税制改正において、賃上げや物価高に対する配慮から、中小法人の年800万円以下の部分に対する軽減税率の特例15%の適用が、2027年3月まで延長されました。

ただし、2025年4月からは2つの変更点があります。1つ目は中小法人のうち、極めて所得が高いとされる所得金額年10億円超の法人は、年800万円以下の部分に対する軽減税率の特例が17%に引き上げとなります。また、グループ通算制度の適用を受けている法人は軽減税率の特例の対象外となり、本則税率19%が適用されます。

従来から前3事業年度の所得金額の平均額15億円超の中小法人は、軽減税率の適用対象外であり、この点は引き続き変わりません。

また、年800万円超の部分については、中小法人を含むすべての普通法人に対して、本則税率23.2%が適用されます。

法人税の軽減税率がさらに延長されるかどうかは、適用期限が到来するタイミングで検討するとされています。法人税の税率は、事業年度が開始するタイミングが基準となります。

参照:

国税庁|令和7年度税制改正

国税庁|No.5759 法人税の税率

中小法人は法人税の税率が優遇されていますが、延滞すると延滞税が課税される点などは大法人と同様のため、決算などの時期には納税資金を確保しておく必要があります。

税率を含め、法人税に関してご不明な点などございましたら、お気軽にご質問ください。

BlueWorksGroup

BlueWorksGroupは、「専門家をもっと身近に。手軽に。」をモットーに、東京・大阪・名古屋に拠点を構えるプロフェッショナル集団です。若手の公認会計士・税理士・弁護士が所属し、会計・監査・税務・法務の専門性を活かしてサービスを提供。個人事業主からIPO準備企業・上場企業まで、さまざまな成長フェーズの企業をサポートし、「身近な専門家」として企業を支援しています。

BlueWorksGroup BlueWorksGroup