決算書類で混同しやすい未払金・未払費用の違いとは
目次
決算書類で「未払金」や「未払費用」という勘定項目を目にして、どういった費用の金額なのか疑問に感じたことはありませんか。いずれも、貸借対照表で負債に該当する勘定科目という点では共通しています。
今回は混同されやすい「未払金」と「未払費用」について、それぞれの定義を押さえたうえで、仕訳例を挙げて解説していきます。
■未払金とは
未払金とは、継続的な営業取引ではなく、単発的な取引から発生した債務に用いる勘定科目です。勘定科目は資産・負債・純資産・収益・費用の5つに分類され、未払金はマイナスの財産である負債に該当します。未払金もいずれは返済しなければならないためです。
たとえば、事務用品や備品の購入費用や空調機器の修理費用を後払いにしたケースでは、未払金として処理します。また、クレジットカードで物品やサービスを購入し、まだ支払っていない代金も、未払金に含まれます。あるいは、従業員への給与の支払いが遅れた場合も、未払金として計上します。
また、財政状態を示す貸借対照表では、未払金と長期未払金に区分されます。未払金は貸借対照表日(貸借対照表の基準日=決算日)の翌日から1年以内に支払期日が到達するものが該当し、流動負債の部に計上。長期未払金は支払期日が貸借対照表日の翌日から1年を超えるものを指し、固定負債の部に計上します。
未払金と混同しやすいものとして、買掛金が挙げられます。買掛金は商品や原材料の仕入、製品のパッケージデザインの外注費など、売上原価や製造原価の後払い代金を指します。
後払いで支払う債務のうち、売上原価や製造原価に関わるものは買掛金、単発的な取引から発生した債務に係るものは未払金に該当するという違いがあります。
■未払金の仕訳の例
未払金の仕訳について、例を挙げてみていきます。
◆ホワイトボードを2万円で、後払いで購入した。

2万円のホワイトボードは消耗品費に該当し、後払いで購入したため、未払金によって負債が増加します。消耗品費を使ったことで、未払金が2万円発生したため、借方に「消耗品費 2万円」、貸方に「未払金 2万円」を計上します。
◆ホワイトボードの代金を普通預金から支払った。

未払金を預金から支払ったことで、この取引に関する負債がゼロになります。借方に「未払金 2万円」、貸方に「普通預金 2万円」を計上します。
■未払費用とは
未払費用は継続的に役務(サービス)の提供を受けている場合に、既にサービスの提供を受けて後払いになっている部分に用いる勘定科目です。
例を挙げると、各種保険の保険料、家賃、従業員への給与、携帯電話などの通信費、リース費用、借入金の利息などで後払いになっているものが、未払費用に該当します。
実際に未払費用という勘定科目を使うのは、翌事業年度に支払いをまたぐケースです。未払費用は時の経過とともに発生するため、決算日までの期間に相当する金額を計上します。たとえば、契約期間を1月~12月とする損害保険契約の保険料を12月末に支払う契約で、3月末日が決算日の場合には、1月~3月までの3ヶ月分の保険料相当額が未払費用となります。
■未払費用の仕訳の例
未払費用の仕訳の仕方について、例を挙げてみていきます。
【例】
・1月~12月を契約期間とする保険契約で、12月末に保険料24万円を支払う。
・3月末決算
◆3月末の決算日

3月末の決算日時点では1年分の保険料24万円のうち、1~3月の3ヶ月分の債務が発生したという考え方から、未払費用として6万円を計上します。借方は「保険料 6万円」、貸方は「未払費用 6万円」とします。
◆翌事業年度の期首

翌事業年度の期首に、未払費用として計上した6万円を保険料に振り戻すため、借方は「未払費用 6万円」、貸方は「保険料 6万円」として計上します。
◆12月31 日に普通預金から支払ったとき

12月31日に保険会社に普通預金から支払いをする時点で、1月~12月の1年分の保険料の支払いを計上します。借方は「保険料 24万円」、貸方は「普通預金 24万円」とします。期首に振り戻した6万円と相殺されるため、この時点では実質的には18万円の費用が計上されます。
■未払金と未払費用の違いとは
未払金も未払費用も未払いという点は共通しています。ただし、未払金は単発の取引ごとに債務が発生し、支払いは確定しているが支払っていない代金です。一方、未払費用は継続的な役務提供契約により、役務の提供が終わっておらず、支払い期日が到来していない代金という違いがあります。
会計や簿記の知識がない方にとっては、勘定科目は難しく感じるかもしれません。確定申告・決算にあたって、未払金や未払費用などで何か不明点がございましたら、お気軽にご質問ください。

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