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役員への賞与を損金算入できる!?事前確定届出給与とは

目次

会社員の多くは、夏や冬に賞与が支給されています。事前確定届出給与は役員の賞与にあたるものですが、損金算入するには一定のルールが設けられています。

今回は法人化して間もない方やこれから法人成りを考えている方に向けて、事前確定届出給与について解説。事前確定届出給与の適用に必要な手続きや注意点などについても触れていきます。

■事前確定届出給与とは?

従業員に支払う給与とは異なり、役員報酬は要件を満たさなければ、損金算入することができません。損金算入できる役員報酬には、前回の第95回「損金算入できる役員報酬のルールとは」で取り上げたように、「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の3つの種類があります。

このうち、定期同額給与は毎月同額を支払う報酬で役員の月給に当たるものであり、税務署への届出は必要ありません。

これに対して事前確定届出給与は、あらかじめ決めた額を指定した日に支払う報酬をいい、役員の賞与に当たります。事前確定届出給与を導入するには、事前に税務署への届出が必要です。

また、事前確定届出給与を支払うことで、役員個人の税負担は増えますが、会社の所得が減ることから、法人税などの軽減につながります。

■事前確定届出給与の適用を受けるための流れ

事前確定届出給与を損金算入するためには、株主総会の決議を経て、税務署へ届出を行うというステップを踏みます。

1.株主総会の決議

事前確届出給与を損金算入するためには、まず、事前確定届出給与の支給日と金額を定款、または株主総会(合同会社は社員総会)で決定する必要があります。定款で事前確定届出給与を決定すると、支給日や金額の変更には定款の変更が必要となるため、株主総会で決定するのが一般的です。

株主総会で事前確定届出給与の支給日と金額に関して決議を行ったら、議事録を作成して保管しておきます。税務調査が入った場合には、株主総会の議事録の確認が行われる可能性があります。

代表のみが出資者の1人会社の場合も、株主総会や社員総会を形式的に開催し、議事録を作成しておきます。

2. 税務署への事前確定届出給与に関する届出

株主総会などの決議によって、事前確定届出給与の支給日と金額を決定したら、納税地の税務署へ「事前確定届出給与に関する届出書」の提出を行います。「事前確定届出給与に関する届出書」には1円単位で支給する金額を正確に記入する必要があります。

届出の期限は、「事前確定届出給与を定めた株主総会などの決議をした日、または職務を開始する日から1ヶ月以内」もしくは「事業年度開始の日から4ヶ月以内」のいずれかの早い方です。会社を新しく設立した場合には設立から2ヶ月以内が届出の期限となります。

この届出期限からもわかるように、事前確定届出給与も年間の収支が見えてきた時期に決めることはできず、期首に金額などを決定する必要があります。この期限を過ぎてしまうと、当該事業年度は事前確定届出給与の損金算入ができなくなります。

参照:国税庁|C1-23 事前確定届出給与に関する届出

 事前確定届出給与の注意点

事前確定届出給与は税務署に届けた通りに支給日と金額で支払われない場合には、全額が損金算入できなくなる点に注意が必要です。

たとえば、「7月10日に100万円」「12月10日に100万円」を支払うと届出を行っていたケースで、実際の支払い日が7月30日と12月10日になった場合には、7月の支払い分だけではなく、12月の支払い分も損金に算入できなくなります。

あるいは、事前確定届出給与の金額を40万円で届出を行ったケースでは、実際に支給した金額が30万円の場合も、50万円の場合も、全額を損金に算入できません。

そのため、資金繰りが厳しくなったからといって、40万円で届出を行っておきながら、30万円の支給に減額してしまうと、損金算入が認められないことで税負担が多くなり、資金繰りのさらなる悪化を招く要因の一つとなります。

事前確定届出給与の支払いを行う場合には、確実に支払えることが見込める金額とするべきです。

■事前確定届出給与の金額の変更方法

ただし、事前確定届出給与は臨時改定事由、または業績悪化改定事由に該当する場合には変更することが可能です。

臨時改定事由は役員の職制上の地位の変更、または職務の内容の重大な変更があった場合が当てはまります。業績悪化改定事由は経営状況が著しく悪化した場合が該当しますが、一時的な資金繰りの悪化や赤字では認められないことがあります。

また、いずれかの事由に該当し、事前確定届出給与を変更する場合は納税地の税務署への事前確定届出給与に関する変更届出の提出が必要です。届出の期限は、臨時改定事由の場合は事由の発生日から1ヶ月以内、業績悪化改定事由の場合は事前確定届出給与の変更の株主総会での決議日から1ヶ月以内です。

参照:国税庁|C1-24 事前確定届出給与に関する変更届出

弊社顧問の法人や今後法人化を考えている個人事業主の方で、事前確定届出給与の導入を検討されている場合はお気軽にご相談ください。

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