事務所兼住宅を購入した場合に住宅ローンは経費にできる?
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個人事業主が事務所兼住宅としてマイホームを購入した場合に、住宅ローンを経費にできるのか、住宅ローン控除の適用を受けられるのか、気になるところではないでしょうか。経費計上できるのは事業に関連する支出のみであり、住宅ローンは自らが居住するための住宅を購入したケースが対象となります。
今回は個人事業主が住宅ローンを組んで事務所兼住宅を購入した場合の経費計上や、住宅ローン控除の扱いについて解説していきます。
■住宅ローンを経費にできる部分
そもそも住宅ローンの返済額は、元本と利息に分けられます。このうち経費に計上できるのは利息の部分のみで、元本の部分は経費に含められません。
住宅ローンに限らず、事業のためにお金を借りた場合にも、元本は経費に入れることはできない点は同様です。元本の部分は借りたお金を返済しているに過ぎず、事業に必要な支出とはいえないためです。
■事業用スペースの家事按分が必要
個人事業主が住宅ローンを組んで、事務所兼住宅や店舗兼住宅や事務所兼住宅を購入した場合は、利息部分のすべてを経費に入れることはできません。経費に計上できるのは事業用として使っているスペースの部分のみです。
住宅ローンの利息を経費に計上するには、事業用スペースの使用割合に応じて家事按分する必要があります。家事按分とは、事業用とプライベート用が混在する支出において、合理的な基準に基づいて事業用の支出の部分を分けることをいいます。
たとえば、専有面積60平米のマンションの一室を購入して、9平米(5.4畳程度)の部屋を仕事部屋として使っている場合には、事業用スペースの使用割合は15%です。住宅ローンの利息のうち15%を経費として計上できる計算になります。
■減価償却費なども経費計上可能
事務所兼住宅や店舗兼住宅を購入した場合には、住宅ローンの利息以外にも経費計上できる費用があります。建物部分の減価償却費のほか、固定資産税、火災保険料、地震保険料などが挙げられ、いずれも家事按分が必要です。
減価償却とは、時の経過とともに価値が減少していく資産を法定耐用年数で分割して必要経費として計上することをいいます。減価償却の対象となるのは建物や機械装置、車両運搬具などです。土地は時の経過によって価値が減少しないため、減価償却の対象となりません。
土地と建物を購入した場合は、建物部分の購入費用のみを減価償却費として分割して計上できます。これは戸建住宅に限らず、マンションを購入した場合も同様です。
■住宅ローン控除を受けるための要件
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入し、一定の要件をみたしている場合に、年末のローン残高の0.7%を最大で13年間、所得税などから控除する制度です。(住宅ローンについては、第98回「子育て世帯への優遇措置が延長!2025年の住宅ローン控除と注意点」で詳しく解説しています。)
住宅ローン控除の適用を受けるには、「住宅取得後6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住」「床面積(登記面積)50平米以上(新築は緩和要件あり)」「床面積の2分の1以上を居住用として使用」「住宅ローンの返済期間10年以上」といった要件が設けられています
このうち、事務所兼住宅や店舗兼住宅を住宅ローンを利用して購入する場合に、住宅ローン控除の適用を巡って問題になることがあるのは、「床面積の2分の1以上を居住用として使用」という要件です。
店舗兼住宅や事務所兼住宅で住宅ローン控除の適用を受けるには、居住用スペースの床面積を50%以上にする必要があります。また、原則として居住用スペースの床面積の割合に応じて、住宅ローン控除の適用を受けられます。ただし、居住用スペースの床面積の割合が90%以上であれば、全額控除可能です。
【例】
・居住用スペース40%・事業用スペース60%→住宅ローン控除の適用不可
・居住用スペース60%・事業用スペース40%→「(借入限度額を上限に)年末のローン残高の0.7%」×60%
・居住用スペース92%・事業用スペース8%→「(借入限度額を上限に)年末のローン残高の0.7%」×100%
事業用スペースの割合が多い方が、住宅ローンの利息や減価償却費を必要経費として参入できる金額が大きくなりますが、住宅ローン控除の控除額が減少します。また、住宅ローン控除の適用を受けるには居住用スペースの割合を50%以上とする必要があり、居住用スペースの割合が少ないと、住宅ローンを利用できないことも考えられます。
一方、最も有利なのは居住用スペースの割合が90%以上で、住宅ローン控除の適用を100%受け、事業用スペースの10%以下の部分の必要経費を計上するケースです。
参照:国税庁|No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
個人事業主の方が住宅ローンを利用して事務所兼住宅や店舗兼住宅を購入する際には、使用割合の考え方などに関してお気軽にご相談ください。

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