topics

トピックス

  • ナレッジ

個人事業主が源泉徴収を行う側になるケースと必要な手続き

目次

個人事業主として1人で事業を営んでいる方の中には、ゆくゆくは人を雇ったり、業務を委託したりすることを考えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

個人事業主も従業員を雇用して給与を支払うと、所得税・復興特別所得税の源泉徴収を行う側となります。また、従業員を雇用していると、他の個人事業主などに源泉徴収の対象となる種類の報酬を支払うときにも、源泉徴収義務が発生します。

今回は、個人事業主が源泉徴収を行う側になるケースと必要な手続きについて解説していきます。

■個人事業主も従業員を雇用すると源泉徴収義務がある

個人事業主も、従業員を雇用した場合には所得税・復興特別所得税を給与から源泉徴収する義務があります。ただし、常時2人以下の家事使用人にのみ給与を支払っている場合には、源泉徴収義務はありません。

また、従業員を雇用した場合には、税務署へ1ヵ月以内に「給与支払事務所等の開設届出書」の届出が必要です。ただし、個人事業の開業時に雇用する予定があり、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出している場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」の提出は不要となります。

また、家族を青色事業専従者として給与を支払う場合には、「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」も税務署に提出します。

参照:国税庁|No.2110 事業主がしなければならない源泉徴収

■個人事業主が源泉徴収義務者になる基準

個人事業主が他の個人事業主に業務を委託する場合は、必ずしも源泉徴収義務が発生するわけではありません。個人事業主が源泉徴収義務者になる基準は、従業員を雇用しているか否かです。

従業員を雇用せず、給与を支払っていない個人事業主には源泉徴収義務がなく、常時2人以下の家事使用人のみに給与を支払っている場合も対象外です。一方で、家族を青色事業専従者としている場合には、源泉徴収義務者になります。

また、従業員を雇用している個人事業主も、個人への業務委託で源泉徴収を行う義務があるのは、前回の第90回「個人事業主が源泉徴収されるケースとは?」でも紹介したように、源泉徴収の対象となる種類の報酬を支払った場合のみです。

<源泉徴収の対象となる報酬>

・原稿料や講演料、デザイン料(懸賞応募作品などの入選者に支払う賞金は、1人1回に5万円以下であれば、源泉徴収をしなくても可)

・弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬

・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬

・プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬

・映画や演劇、音楽、舞踊、漫才、あるいはテレビ放送などへの出演の報酬

・芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬

・ホテルや旅館などで行われる宴会などで、接待を行うバンケットホステスやコンパニオンに支払う報酬

・バーやキャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬

・プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金

・広告宣伝のための賞金

・馬主に支払う競馬の賞金

参照/国税庁|No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

■源泉徴収した税金の納付期限

給与や報酬から源泉徴収した所得税・復興特別所得税は、原則として翌月10日までに税務署または金融機関で、「所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて納付します。たとえば、10月25日に支払った給与や10月31日に支払った報酬から源泉徴収を行った場合には、11月10日までの納付が必要です。

ただし、給与を支払う従業員が常時10人未満の場合には、税務署への「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することで、特例により年2回にまとめて納付することが可能です。(業務委託報酬から天引きした源泉所得税は納期の特例が適用されず、支払った月の翌月10日までに納付する必要があります。)

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の提出には特に期限が設けられてはおらず、原則として提出した日の翌月の給与や報酬から適用されます。

<源泉所得税の納期の特例>

1月~6月分:7月10日

7月~12月:翌年1月20日

参照:国税庁|A2-8 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

■源泉徴収票・支払調書などの作成が必要

個人事業主も、従業員を雇用して給与を支払っている場合には、原則として年末調整を行い、源泉徴収票を作成する義務があります。源泉徴収票は年末調整を行った後、12月または翌年1月に従業員への交付が必要です。一定金額以上の給与を支払っている場合には、翌年の1月31日までに「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」と「源泉徴収票」の税務署への提出も必要になります。

個人事業主の報酬から源泉徴収を行った場合には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」も併せて税務署に提出します。支払先の個人事業主への支払調書を交付するのが一般的ですが、これは法律などで義務付けられたものではなく、商習慣として行われています。

また、翌年1月31日までに、従業員が居住している各市区町村に「給与支払報告書」の提出が必要です。

参照:

国税庁|No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等

国税庁|No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

個人事業主も従業員を雇用すると、源泉徴収の義務があり、様々な手続きが必要になります。また、従業員を雇用するのであれば、法人化も選択肢となります。弊社顧問の個人事業主の方で、従業員を雇用する予定のある方は税務関係の手続きに関して、一度ご相談ください。

BlueWorksGroup

BlueWorksGroupは、「専門家をもっと身近に。手軽に。」をモットーに、東京・大阪・名古屋に拠点を構えるプロフェッショナル集団です。若手の公認会計士・税理士・弁護士が所属し、会計・監査・税務・法務の専門性を活かしてサービスを提供。個人事業主からIPO準備企業・上場企業まで、さまざまな成長フェーズの企業をサポートし、「身近な専門家」として企業を支援しています。

BlueWorksGroup BlueWorksGroup