FXにかかる税金とは?税率や計算方法
目次
株式投資は特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座での取引は確定申告が不要ですが、FXで利益が出た場合には、確定申告が必要です。
「先物取引に係る雑所得等」に該当するFXの利益にかかる税金について、税率や計算方法について押さえたうえで、損益通算や損失の繰り越し控除などについても触れていきます。
■FXによる利益にかかる税金
FX(外国為替証拠金取引)による利益は、雑所得の「先物取引に係る雑所得等」に該当します。「先物取引に係る雑所得等」は申告分離課税のため、給与所得や事業所得といった他の所得と分離して税額を計算し、原則として確定申告によって税金を納めます。
FXの利益にかかる税金の税率は一律で、所得税15%、住民税5%です。ただし、2013年から2037年までは復興特別所得税が課税されるため、税率は合計20.315%となります。
また、ここでいうFXは国内の事業者を利用した取引を指します。海外のFX事業者を利用した場合は総合課税となり、税務上の扱いが異なります。
参考:国税庁|No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
■FXの税金の計算方法
FXによる利益にかかる税金は以下の計算式で算出します。
FXによる所得=(為替差益+スワップポイント)−必要経費
FXの税額=FXによる所得×20.315%
FXによる所得は、1月1日~12月31日の1年間の為替差益とスワップポイントの合計から、必要経費を引いたものです。
為替差益とは、取引時の為替レートの変動によって得られる利益。スワップポイントとは、取引をする通貨ペアの金利差による利益をいいます。
<FXで必要経費と認められる可能性があるもの>
◎FX取引の手数料(入金手数料・出金手数料・取引手数料など)
◎FX取引を行う場所の家賃・固定資産税
◎FX取引に使用する端末(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)・周辺機器(モニター・キーボード・プリンター・充電器など)
◎FX取引に使用する机や椅子・本棚などの備品
◎FXの取引ソフト
◎FX取引に関わるインターネット通信費
◎プリンターのインクや筆記用具などの消耗品代
◎FX取引に関わる電気代
◎FX取引のためのレンタルサーバー費用
◎FXに関する情報収集のための書籍や新聞の購入費
◎FX関連のセミナーの参加費・交通費
◎借金でFX取引を行った場合の利息
◎税理士への相談料・税務申告の報酬
自宅の一部をFX取引に使っている場合の家賃、あるいは持ち家の場合の固定資産税は、FX専用で使う部屋の面積の割合から、経費として計上する金額を算出します。FX取引に使用している端末や机、椅子なども、プライベートや仕事用としても兼用している場合は、使用頻度による割合で按分します。インターネット通信費や電気代なども同様に兼用している場合は、使用時間などの合理的な基準で算出する必要があります。
ただし、これらの経費算入が税務署に認められるかどうかは、取引状況などにもよります。
■FXの損益通算できる範囲
損益通算とは、黒字の所得から赤字の所得を引くことをいいます。FXによる所得は、「先物取引に係る雑所得等」とのみ損益通算を行うことが可能です。事業所得や給与所得などの他の各種所得とは、損益通算はできません。
「先物取引に係る雑所得等」に該当するものは、FXのほかには商品先物取引、債券先物取引や株価指数先物取引といった金融商品先物取引などがあり、合算して申告することができます。一方で海外のFX事業者を通じた取引は合算することができません。
たとえば、FXでは利益が出ていても、商品先物取引では損失が生じているケースでは、FXの利益から商品先物取引の損失を引いて、課税所得を抑えることが可能です。
損益通算に関しては、第49回「損益通算できる所得・できない所得とは」で詳しく解説しています。
参考:国税庁|No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例
■損失の繰り越し控除とは
FXなどの「先物取引に係る雑所得等」で損失が出た場合は、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越すことができます。
◆例:2020年/100万円の損失、2021年/30万円の利益、2022年/50万円の利益、2023年/50万円の利益というケース
2020年:-100万円…課税なし、-100万円繰り越し
【1年目】2021年:30万円-100万円…課税なし、-70万円繰り越し
【2年目】2022年:50万円-70万円…課税なし、-20万円繰り越し
【3年目】2023年:50万円-20万円…課税所得30万円
※便宜的に必要経費を考慮せず、FXによる利益=FXによる所得としています。
FXで100万円の損失となった翌年に30万円の利益が出ても、損失の繰り越しにより、課税所得はゼロとなります。翌々年に100万円から30万円を引いた70万円が繰り越しとなり、50万円の利益が出ても同様に課税されません。さらに次の年に20万円が繰り越されるため、50万円の利益があっても、課税所得は30万円となります。
FXで損失が出た年は、FXに関する確定申告を行わなくても問題がありませんが、損失の繰り越し控除の適用を受けるには、毎年、継続して確定申告を行う必要があります。そのため、FXで損失が出た年も確定申告を行っておいた方が、翌年以降に利益が出た場合に税務上有利になる可能性があります。
FXの利益は基本的に確定申告が必要です。多くの利益が発生して、必要経費になるものとならないものの判断に迷われた場合や、事業所得との必要経費の按分など、何かお困りのことがありましたら、別途お気軽にご相談ください。

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