topics

トピックス

  • ナレッジ

【相続税の基礎知識】税金のかからない範囲や計算方法は?

目次

年末年始は帰省をする人も多く、家族や親戚が集まることが多い時期。お正月などに家族や親戚と顔を合わせたときに、相続について話し合う機会があった方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、相続税の基礎控除額や計算方法などの基礎知識を紹介していきます。

■相続税がかからない範囲とは

相続税は亡くなった人から相続した財産が基礎控除額を超えた場合に課税される税金です。基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人数)」という計算式で算出します。

法定相続人は、配偶者がいる場合には配偶者と血族です。血族は第1順位の人がいない場合には第2順位、第3順位の順で、配偶者とともに法定相続人になります。

・第1順位:子ども(亡くなっている場合はその子や孫などの直系卑属)

・第2順位:直系尊属である父母、いない場合は祖父母

・第3順位:兄弟姉妹(亡くなっている場合はその子)

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合は、基礎控除額は「3,000万円+(600万円×3)=4,800万円」です。

相続財産が基礎控除額を上回る場合には、原則として被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告が必要です。

参考:

国税庁|No.4132 相続人の範囲と法定相続分

国税庁|No.4102 相続税がかかる場合

■相続税の計算の流れ

相続税の計算はそれぞれの相続財産に税率を掛けるという方法をとるのではなく、少し複雑です。相続税を計算するときの大まかな流れは以下の通りです。

1.課税遺産総額を算出する

まず、現金や預貯金、株式などの有価証券、土地や建物の評価額など、すべての遺産総額を算出します。

土地や建物は時価ではなく、土地は路線価または倍率方式によって算出し、建物は固定資産税評価額を用います。土地は一定の要件を満たすと、最大で80%減額される小規模宅地等の特例の適用を受けられることがあります。

そして、遺産総額から負債や葬式費用を引いて正味の遺産額を算出した後、相続税の基礎控除額を引き、課税遺産総額を算出します。

参考:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

2.法定相続分で按分する

次に実際の相続分ではなく、一旦、法定相続分で遺産を相続したものと仮定して按分します。法定相続分とは民法で定められた相続割合をいい、遺言がない場合の遺産相続の基準となります。(話し合いによって、法定相続分とは異なる遺産分割を行うことも可能です。)

<法定相続分>

・配偶者と子の場合:配偶者2分の1、子2分の1(2人以上いる場合は全員の合計)

・配偶者と直系尊属である父母、または祖父母の場合:配偶者3分の2、直系尊属3分の1

・配偶者と兄弟姉妹の場合:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

参考:国税庁|No.4132 相続人の範囲と法定相続分

たとえば、法定相続人が妻と子ども2人の場合の法定相続割合は、妻は2分の1、子はそれぞれ4分の1ずつです。

3.法定相続分による相続税の総額を計算する

そして、法定相続人ごとに法定相続分に応じた相続税の税率で相続税を算出します。そして、各法定相続人の税額を合計し、相続税の総額を出します。相続税の税額は累進税率となっています。

引用:国税庁|No.4155 相続税の税率

4.各相続人の納税額を計算する

最後に相続税の総額を実際の相続割合にもとづいて按分し、各相続人の納税額を計算します。また、配偶者のほか、一定の要件を満たした未成年者と85歳未満の障害者には税額控除が設けられています。

配偶者は、1億6千万円または法定相続分相当額のいずれか多い方の金額まで税額控除を受けられます。未成年者の税額控除は「満18歳になるまでの年数×10万円」。障害者の税額控除は「満85歳になるまでの年数×10万円(特別障害者は20万円)」です。

参考:

国税庁|No.4158 配偶者の税額の軽減

国税庁|No.4164 未成年者の税額控除

国税庁|No.4167 障害者の税額控除

財務省|Q&A ~身近な税について調べる~|相続税について教えてください。

■相続税の計算例

相続税の計算方法の流れに沿って、例を挙げて計算していきます。

<遺産相続の例>

【遺産等】

◆相続財産:8,600万円

現金・預金・株式:6,600万円

自宅の土地の評価額(小規模宅地の特例の適用後):1,000万円

自宅の建物の評価額:1,000万円

◆借入金:300万円

◆葬式費用:300万円

【相続人】

妻・長男・長女

【遺産の相続割合】

妻:50%、長男20%、長女30%

<相続税の計算例>

1.課税遺産総額

8,600万円-300万円-300万円=8,000万円…正味の遺産額

3,000万円+(600万円×3)=4,800万円…基礎控除額

8,000万円-4,800万円=3,200万円

2.法定相続分による按分

妻:3,200万円×1/2=1,600万円

長男:3,200万円×1/4=800万円

長女:3,200万円×1/4=800万円

3.法定相続分による相続税の総額

妻:1,600万円×15%-50万円=190万円

長男:800万円×10%=80万円

長女:800万円×10%=80万円

190万円+80万円+80万円=350万円

4.各相続人の納税額

妻:350万円×50%=175万円 →配偶者の税額控除により0円

長男:350万円×20%=70万円

長女:350万円×30%=105万円

相続財産が基礎控除額を下回る場合には相続税の申告は不要ですが、小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減の適用を受けることによって、相続税がかからないケースは、申告が必要な点に注意しましょう。

実際の相続税の計算では、不動産などの相続財産を財産評価基本通達にもとづいて評価する必要があります。相続に伴い、相続税の申告が必要な場合や申告の必要があるかわからない場合などは、別途ご相談ください。

BlueWorksGroup

BlueWorksGroupは、「専門家をもっと身近に。手軽に。」をモットーに、東京・大阪・名古屋に拠点を構えるプロフェッショナル集団です。若手の公認会計士・税理士・弁護士が所属し、会計・監査・税務・法務の専門性を活かしてサービスを提供。個人事業主からIPO準備企業・上場企業まで、さまざまな成長フェーズの企業をサポートし、「身近な専門家」として企業を支援しています。

BlueWorksGroup BlueWorksGroup