新築は省エネ基準適合が必須!2024年1月からの住宅ローン控除の変更点
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住宅ローン控除(住宅ローン減税)は制度改正を繰り返しながら延長されていますが、2024年1月以降は、新築住宅は省エネ基準への適合が必須要件となるのをご存じでしょうか。2024年以降に建築確認を受けた新築住宅を購入した場合、省エネ基準に適合していなければ、住宅ローン控除の適用を受けることができません。
今回は住宅ローン控除の概要について簡単に触れたうえで、2024年1月からの改正点について解説していきます。
■住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除は、正式には住宅借入金等特別控除といいます。個人が住宅ローンを利用してマイホームを取得したときに、最大で13年間、借入限度額の範囲内で年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除を受けられる制度です。所得税から控除しきれない場合には、翌年の住民税から9万7,500円を上限として控除を受けられます。
住宅ローン控除は一定の要件を満たした新築住宅のほか、中古住宅の購入やリフォームなどの費用が対象です。
<新築住宅の場合の主な要件>
・居住用の家屋であること
・合計所得金額が2,000万円以下
・床面積50平米以上(合計所得が1,000万円以下の場合、2023年末までに建築確認を受けた新築住宅で床面積40平米以上50平米未満を含む)
・住宅ローン控除の適用を受ける人が住宅の引き渡し、または工事完了から6ヶ月以内に居住すること
・店舗や事務所との併用住宅は床面積の1/2以上が居住用であること
・住宅ローンの借入期間10年以上
・居住年とその前の2年、および居住年の翌年から3年以内に、「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」「特定の居住用財産の買換えの特例」などの特例を受けていないこと
参考:国税庁|No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
■2024年からは省エネ基準に適合しない新築住宅は対象外
<2022年・2023年入居>

<2024年・2025年入居>

住宅ローン控除の借入限度額は住宅の種類による区分が設けられ、2022年から省エネ性能などに応じた借入限度額の上乗せ措置がとられています。借入限度額は住宅ローン控除が適用される借入額の上限です。
新築住宅は2022年・2023年入居でも、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅、省エネ基準に適合しないその他の住宅(一般の住宅)では、借入限度額に違いがあり、環境に配慮した住宅は優遇されています。
新築住宅は2024年1月以降に建築確認を受けたその他の住宅(一般の住宅)は、住宅ローン控除を利用することができなくなる点が大きな変更点です。2023年末までに建築確認を受けた場合は、2024年・2025年入居でも住宅ローン控除の適用を受けられますが、借入限度額2,000万円、控除期間10年という扱いになり、控除額が抑えられています。
■改正は省エネ基準適合義務化に先行する動き
2024年から住宅ローン控除で新築住宅は省エネ適合が必須とされるのは、建築物省エネ法の改正に先行する動きです。2022年6月に建築物省エネ法の改正が成立し、2025年4月以降に工事に着手するすべての建築物は、原則として省エネ基準への適合が義務化される予定です。
既に2023年4月以降の設計検査申請分から、フラット35を新築住宅の購入に利用するには、省エネ基準への適合が必須となりました。フラット35は住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して扱う全期間固定金利型住宅ローンです。
住宅ローン控除において、省エネ性能などに応じた借入限度額の上乗せ措置や新築のその他の住宅の適用除外を行うのは、消費者を省エネ性能等の高い住宅に誘導するという国の政策によるものです。
参考:
国土交通省住宅局住宅経済・法制課|住宅ローン減税における省エネ性能の必須要件化について
環境性能の高い住宅は購入価格が高くなる一方、住宅ローン控除が有利になるほか、省エネ効果によるエネルギーコストの削減や住まいとしての快適性が期待できます。どちらがよいかは一概にはいえませんが、「住宅ローン控除が適用されると思っていたのに利用できない」という事態は避けたいものです。新築住宅の購入や建築を検討する際には、省エネ基準への適合を確認し、住宅ローン控除の取り扱いを理解しておきましょう。

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