2024年からの新しいNISAとは?現行制度の投資はどうなる?
目次
2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)は、上場株式や投資信託などの金融商品の売却益や配当、分配金にかかる税金(20.315%)が非課税投資枠の範囲内で非課税となる制度です。2018年からは公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)の積立購入を対象とした、つみたてNISAも誕生しました。
令和5年(2023年)税制改正によって、NISAは2024年1月から新しい制度として、拡充・恒久化が図られます。今回は2024年からのNISAの主な3つの変更点と現行制度での投資の取り扱いについて解説していきます。
■変更点1:制度の恒久化
1つ目の変更点は時限措置から恒久化した制度となった点です。
現行のNISAのうち、一般NISAは2014年から2023年までの10年間を口座開設期間とし、口座開設と投資を行うことができる時限措置でした。また、非課税期間は最大5年間と決められ、5年間に売却しなかった場合には、金融商品を翌年の非課税投資枠に移すロールオーバーを行うか、特定口座や一般口座に移すこととなっていました。
つみたてNISAは2018年~2023年が口座開設期間で、最長で20年間の非課税が設けられています。
2024年からの新しいNISAでは口座開設期間がなくなり、非課税期間も無期限となり、恒久化された制度となります。つまり、金融機関にNISA口座を開設して購入した株式や投資信託などの金融商品は、期限の制限を受けることなく、非課税で保有することができます。
■変更点2:2つの投資枠の併用可・年間投資枠の拡大
2つ目の変更点は非課税で投資できる年間投資枠の拡大です。
現行のNISAでは、一般NISAとつみたてNISAの併用はできず、いずれかの利用となり、1年ごとに変更することは可能です。年間投資枠は、一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円に設定されていました。
新しいNISAの年間投資枠は、成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円に変更されます。2つの投資枠の併用が可能で、年間投資枠が大幅に拡大しました。
ただし、一般NISAと成長投資枠は対象となる金融商品が、多少異なります。成長投資枠は、上場株式では整理銘柄と監理銘柄、投資信託では信託期間20年未満や毎月分配型の商品、デリバティブ取引を用いた一定の商品は除外されます。つみたてNISAとつみたて投資枠は対象となる商品に変更はなく、長期の積立投資・分散投資に向いた投資信託が対象となります。
株式の売買単位である単元株数は原則100株のため、現行の一般NISAの年間投資枠の120万円いう枠では購入できない銘柄が少なくありませんでした。新しいNISAの成長枠投資では年間投資枠が240万円までに拡大したことで選択の幅が広がります。
■変更点3:最大投資枠が設定・再投資可
3つ目の変更点は非課税保有限度額に総枠となる最大投資枠が設定されて、再投資ができる点です。
現行のNISAの非課税保有限度額は、一般NISAは年間120万円×5年間で600万円、つみたてNISAは年間40万円×20年間で800万円です。
新しいNISAでは最大投資枠となる総枠が設けられ、非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠1,200万円までとなります。現行のNISAは売却しても投資枠は復活しませんでしたが、新しいNISAでは売却した分の非課税保有限度額は翌年以降、再利用ができます。
これにより、NISAを利用して非課税限度額の範囲内で売却と購入を繰り返して資産形成を図りやすくなるなど、柔軟に活用できる制度となりました。
■現行のNISAは別枠で保有可能
既に現行のNISAで資産運用を行っている人にとって、気になるのは現行のNISAによる投資の2024年以降の取り扱いではないでしょうか。
現行のNISA口座を持っている人は、2024年に新しいNISAが始まることに伴う特別な手続きは必要ありません。現行のNISAによる一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間の非課税期間の終了までは、そのまま非課税で保有することが可能です。非課税保有限度額は、現行のNISAと新しいNISAは別枠となりますので、投資枠をつくる目的で慌てて売却する必要もありません。
また、現行のNISA口座と同じ金融機関で新たなNISA口座が自動的につくられますが、従来通り年単位で金融機関を変更することも可能です。
ただし、現行のNISAでの投資分は、新たなNISA口座にロールオーバーできない点に注意が必要です。2019年にNISA口座で購入していると、一般NISAは2023年に非課税期間が終了するため、年内に売却しない場合には課税口座の特定口座、または一般口座に移管することになります。
ジュニアNISAについては廃止されますが、18歳になるまでは継続管理勘定で非課税で保有することが可能です。2024年以降は、18歳になる前にジュニアNISA口座で保有する現金や金融商品の払い出しを非課税で行うことができます。ただし、一部の現金や金融商品の払い出しはできず、すべての払い出しを行って口座を閉鎖することになります。
参考:金融庁|新しいNISA
現行のNISAでは非課税期間が終了するまでに、「売却する」「特定口座や一般口座に移管する」、あるいは一般NISAでは「ロールオーバーする」という選択肢から決める必要がありました。新しいNISAでは非課税保有期間を気にすることなく運用が可能で、投資枠も拡充したことから、より自由度が高く活用しやすい制度になったといえます。

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