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電子契約には収入印紙は不要?印紙税とは

目次

業務委託契約書を締結したときなどに、収入印紙の貼付が必要になったことはありませんか。印紙税法に規定された課税文書を作成する際には印紙税が課税されますが、電子契約では不要になります。最近では、「クラウドサイン」や「電子印鑑GMOサイン」などのサービスを利用した電子契約が広まっています。

今回は印紙税について解説したうえで、電子契約の場合について取り上げていきます。

■印紙税は課税文書に課される税金

印紙税とは、印紙税法別表第一の課税物件表に記載された課税文書の作成に伴い、発生する税金です。

印紙税法による課税文書は20種類あります。身近なものを挙げていくと、業務委託契約書は第2号文書の「請負に関する契約書」、または第7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」のいずれかに該当する場合があります。

マンションといった不動産を購入するときの不動産売買契約書は、第1号文書の「不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書」です。金融機関とのローン契約の際に結ぶ金銭消費貸借契約書も第1号文書で、「消費貸借に関する契約書」に該当します。

また、商品やサービスの売上代金を受け取ったときの領収書は、第17号文書の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に当たるものです。ただし、第17号文書は記載金額が5万円未満は非課税のため、印紙税がかかるのは5万円以上の領収書になります。

印紙税の税額は、課税文書の種類や記載金額によって異なります。

参考:

国税庁|印紙税の手引|第1総則|1 課税範囲|1 課税文書に関する基本的事項

国税庁|印紙税法 別表第一 課税物件表

国税庁|印紙税額一覧表

■印紙税の納税義務者と納付方法

印紙税の納付義務者となるのは、課税文書の作成者です。領収書は代金を受け取る側が発行しますので、課税文書の作成者として、印紙税の納付義務者となります。

一方、業務委託契約書や不動産売買契約書など、2者以上の契約の当事者が共同で作成する課税文書は、連帯して納税義務者となります。2者間で契約する場合には契約書を2通作成して、印紙税を1通分ずつ負担するのが一般的です。

また、印紙税の納付は原則として、決められた金額の収入印紙を課税文書に貼り、収入印紙の彩紋と課税文書にかけて印鑑や署名で消す方法で行います。収入印紙に消印を行う方法が一般的です。消印に使う印鑑は、法人の場合は会社印や代表者印のほか、従業の個人の印鑑でも法律上は問題ありません。また、シャチハタなどのスタンプ印でも有効です。収入印紙への消印は、再利用を防止する目的で行われるためです。

収入印紙はコンビニエンスストアでも販売されていますが、200円といった低額の収入印紙のみ取り扱いがあり、それ以外は郵便局や法務局などでの購入となる点に注意が必要です。

参考:

国税庁|No.7129 印紙税の納付方法

■電子契約は印紙税が不要

印紙税法の課税文書に当たる契約書を作成する場合であっても、電子契約であれば非課税となります。

印紙税法には「電子契約は非課税」といった文言はありませんが、根拠とされているのは印紙税法基本通達44条1項です。印紙税法第3条で、課税文書の作成者に印紙税の納付が義務付けられていますが、「作成」の定義に関わる規定が設けられています。

法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

 引用:

国税庁|印紙税法基本通達|第7節 作成者等(第42条~第48条)

つまり、課税文書の作成は用紙に記載して交付することが該当するため、PDFなどの電子ファイルの送信による交付は、課税文書の作成には当たらないのです。

また、2005年の国会答弁では、内閣総理大臣による「印紙税に関する質問に対する答弁書」に次の記載があります。

 引用

事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである。 

引用:

参議院|質問主意書|第162回国会(常会)|答弁書第九号

国会答弁においても、印紙税は文書課税であり、電磁記録による作成では課税されないことが明言されています。

■電子契約のメリット

電子契約の大きなメリットは印紙税が非課税になる点です。たとえば、業務委託契約書のうち、第7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」に該当する場合は、印紙税は一律4,000円になります。しかし、紙の契約書を作成せず、電子契約を行う場合には印紙税はかかりません。

また、電子契約は契約業務の効率化や契約までのリードタイムの短縮が図れることもメリットです。紙の契約書で契約を締結するには、契約書を印刷して、署名や契約印の押印、収入印紙の貼付や消印の押印といった業務が発生します。複数ページにわたる場合には、契約書の製本や見開き部分などへの契印の押印が行われるのが一般的です。契約の相手との郵送によるやり取りを行う場合には、封筒への宛名書きや郵便局での発送といった作業も必要です。契約書が相手に到着して、署名や押印などが行われて返送されるまでには、時間を要することもあります。

一方、電子契約であれば、クラウド上で内容を確認してスピーディに契約を締結することが可能です。さらに、クラウドサービスを利用した電子契約は、契約書の保管や管理を効率よく行えるというメリットもあります。

こうした利点から、当社でも皆さまとの顧問契約に「クラウドサイン」を活用しています。電子契約は利便性の高さから、ますます広まっていくことが見込まれています。

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