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国民健康保険料の計算方法とは

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6月は個人事業主などに国民健康保険の納付書が届く時期です。国民健康保険料の金額を見て、どのように算出されているのか気になったことはありませんか?

国民健康保険には、都道府県と市区町村が運営する市町村国保のほかに、業種ごとの組織である国民健康保険組合もありますが、ここでは市町村国保の保険料の計算方法について解説していきます。

■自治体によって異なる保険料を世帯単位で納付

国民健康保険料の保険料は市区町村ごとに条例で定められているため、お住まいの自治体によって異なります。また、国民年金保険料は個人ではなく、世帯ごとに納付します。世帯ごとに、国民健康保険に加入する各被保険者の保険料を算出して合算し、世帯主に納付書などが送られてくる形です。

国民健康保険には扶養という概念がないため、子どもも加入している場合には子どもに対する保険料も発生します。

■国民健康保険料の賦課方法の方式とは

国民健康保険料の賦課方式には、所得割と資産割、均等割、平等割の4つがあります。自治体によって採用されている賦課方式が異なり、2方式(所得割・均等割)、3方式(所得割・均等割・平等割)、4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)のいずれかの組み合わせとなっています。

<国民健康保険料の賦課方式>

・所得割…世帯に属する被保険者の前年の所得に応じて負担。<(所得-基礎控除額)×保険料率)>

・資産割…世帯に属する被保険者の固定資産税額に応じて負担。<固定資産税額×保険料率>

・均等割…子どもを含め、世帯に属する被保険者の人数に応じて負担。<加入する被保険者の人数×均等割額>

・平等割…世帯ごとに負担。<1世帯あたりの金額>

個人事業主の所得割の算出に用いられる事業所得は、青色申告を行っている場合は、青色申告特別控除(最大65万円)が適用された後の金額となります。

■国民健康保険料は3つの保険料で構成

国民健康保険料は医療分保険料、後期高齢者支援分保険料、介護分保険料の3つの保険料で構成されています。医療分保険料は病気やケガで医療機関にかかったときの医療給付に充てられるものです。後期高齢者支援分保険料は後期高齢者医療制度の支援金として使われています。介護分保険料は40歳以上65歳未満のみの被保険者が負担し、介護保険による介護給付に充てられています。

国民健康保険料は医療分保険料、後期高齢者支援分保険料、介護分保険料のそれぞれについて、自治体ごとに賦課方式や保険料率が決められています。

たとえば、東京23区は3つの保険料とも2方式(所得割・均等割)ですが、均等割額や所得割の保険料率は異なります。また、保険料の上限となる賦課限度額が設けられ、医療分保険料65万円、後期高齢者支援分保険料22万円、介護分保険料17万円で共通です。

参考:東京都福祉保健局|令和5年度 特別区国民健康保険料一覧表

■国民健康保険料の軽減措置

国民健康保険料には所得が一定以下の場合や未就学児に対する軽減措置が設けられています。

<所得が一定以下の場合の軽減措置>

世帯主と被保険者全員の前年の総所得金額が基準以下の場合、減免の対象となります。

・軽減割合7割:43万円+(給与所得者・年金所得者の合計数-1)×10万円

・軽減割合5割:43万円+(給与所得者・年金所得者の合計数-1)×10万円+29万円×世帯の加入者数

・軽減割合2割:43万円+(給与所得者・年金所得者の合計数-1)×10万円+53.5万円×世帯の加入者数

<未就学児に対する軽減制度>

・均等割保険料を5割軽減。

・所得による軽減制度の対象となる場合は7割→8.5割、5割→7.5割、2割→6割の軽減割合となる。

参考:厚生労働省|国民健康保険の保険料・保険税について|国民健康保険料・保険税の軽減について

参考:厚生労働省|子どもに係る国民健康保険料等の均等割額の減額措置(国民健康保険制度)

このほかにも倒産やリストラなどによる非自発的失業者に対する軽減措置があるほか、災害などによる減免措置を設けている自治体もありますので、必要に応じて確認しましょう。

■国民健康保険料の計算例

東京都新宿区の保険料をもとに、個人事業主の国民健康保険料を計算してみます。

<東京都新宿区の保険料>

【医療分保険料】均等割額:4万5,000円/所得割:算定基礎額×7.17%

【後期高齢者支援分保険料】均等割額:1万5,100円/所得割:算定基礎額×2.42%

【介護分保険料】均等割額:1万6,200円/所得割:算定基礎額×1.75%

※算定基礎額=総所得金額―基礎控除額43万円(合計所得金額2,400万円以下の場合)

参考:新宿区|保険料の計算方法について

<モデルケース>

世帯主42歳:前年の事業所得400万円(青色申告特別控除適用後)

配偶者35歳:前年の所得0円

長男16歳:前年の所得0円

次男2歳:前年の所得0円

◎算定基礎額:400万円―43万円=357万円…世帯主

【医療分保険料】

・均等割

4万5,000円×3人=13万5,000円…世帯主、配偶者、長男

4万5,000円×0.5×1人=2万2,500円…次男

合計:15万7,500円

・所得割

357万円×7.17%=25万5,969円…世帯主

【後期高齢者支援分保険料】

・均等割額

1万5,100円×3人=4万5,300円…世帯主、配偶者、長男

1万5,100円×0.5×1人=7,550円…次男

合計:5万2,850円

・所得割

357万円×2.42%=8万6,394円…世帯主

【介護分保険料】

・均等割

1万6,200円×1人=1万6,200円…世帯主

・所得割

357万円×1.75%=6万2,475円…世帯主

【年間の国民健康保険料】

63万1,388円

国民健康保険は相互扶助のもと成り立っている制度になり、納付漏れがないようにご留意ください。また納付した国民健康保険料は経費とはなりませんが、確定申告書上“社会保険料控除”として所得控除を取ることができるため、納付した際は領収書をお控えください。

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