住民税の計算方法とは
目次
6月は個人事業主などに直接、住民税の納付書が届く時期です。住民税はどのように計算されているか、チェックされたことはありますか。
今回は住民税の算出方法の仕組みなどを解説したうえで、実際の計算例を紹介していきます。
■住民税は均等割と所得割で構成
住民税というのは、市区町村税と道府県民税・都民税を合わせた総称です。自治体による行政サービスを賄うために徴収されています。
住民税は前年の所得に対して課税され、税額は均等割と所得割で構成されています。多くの自治体が標準税率を採用しているため、住民税はどこの自治体もほぼ同じです。多少変更している自治体もありますが、大きくは変わりません。
<住民税の標準税率>
・均等割:4,000円(区市町村民税3,000円、道府県民税・都民税1,000円)
※2023年までは5,000円(区市町村民税3,500円、道府県民税・都民税1,5000円)
・所得割:10%(区市町村民税6%、道府県民税・都民税4%)
均等割は住民税の課税対象になる人に対して一律で課されるものです。2023年までは東日本大震災を教訓とした防災施策の財源を確保するために、1,000円が上乗せされています。所得割は課税所得に応じて負担します。
■住民税の所得控除と税額控除
住民税を計算するときに引くことができる控除には、所得控除と税額控除があります。所得控除は所得金額の合計から引くものです。税額控除は所得金額の合計から所得控除を引いた後、税率をかけて算出された税額から引くものです。
以下に住民税の主な所得控除と税額控除を簡単にまとめました。
<住民税の主な所得控除>
・基礎控除:最高43万円
・扶養控除:一般の扶養親族33万円、特定扶養親族(19歳~23歳)45万円、老人親族(70歳以上)38万円、同居の老人親族45万円
・配偶者控除:最高33万円、70歳以上最高38万円
・配偶者特別控除:最高33万円
・障害者控除:本人・同一生計配偶者・扶養親族26万円、特別障害者30万円、同一生計配偶者・扶養親族が同居の特別障害者:53万円
・勤労学生控除:本人26万円
・ひとり親控除:本人30万円
・寡婦控除:本人26万円
・社会保険料控除:課税年度に支払った金額
・生命保険料控除:2012年以降に加入した一般の生命保険料・個人年金保険料・介護保険料/それぞれ最高2万8,000円、2011年以前に加入した一般の生命保険料・個人年金保険料/それぞれ最高3万5,000円 ※控除額を算出するための計算式あり ※限度額は合計で7万円
・地震保険料控除:最高2万5,000円 ※控除額を算出するための計算式あり(2006年末までに加入した長期損害保険契約の経過措置あり)
・小規模企業共済等掛金控除:課税年度に支払った金額
・医療費控除:課税年度に支払った医療費-所得金額の合計×5%(10万円超は10万円) ※最高200万円
・セルフメディケーション税制:課税年度中に支払った対象のOTC医薬品の購入額-1万2,000円 ※最高8万8,000円
所得税と住民税では同じ名称の所得控除でも、金額が異なるものがある点に注意が必要です。たとえば基礎控除は、所得税は最高で48万円ですが、住民税は最高で43万円です。
<住民税の主な税額控除>
・配当控除
・寄附金税額控除(ふるさと納税など)
・住宅ローン控除(所得税から控除しきれなかった場合)
・調整控除
■住民税が非課税になるケースとは
住民税の計算に使う所得金額は、個人事業主の場合は収入から必要経費を引いた事業所得です。青色申告特別控除(最大65万円)を受けられる場合は控除した後の金額になります。会社員や公務員などの給与所得者は、給与収入から給与所得控除を引いた給与所得です。
所得が一定の基準以下の場合は、住民税が非課税になる、あるいは所得割が非課税となり、均等割のみの負担となります。住民税が非課税になる基準は自治体によってやや異なります。
<住民税が非課税になる人>
〇生活保護を受給している
〇障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得のみの場合は年収204万4,000円未満)
〇前年の合計所得が区市町村の条例で定める金額以下
※東京23区の場合
・同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合:
35万円×(本人・同一生計の配偶者・扶養親族の人数)+31万円以下
・単身者:45万円以下
<所得割が非課税になる人>
〇前年の総所得金額等が定められた金額以下
・同一生計配偶者・扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計の配偶者・扶養親族の人数)+42万円以下
・単身者:45万円以下
■住民税の計算例
住民税を計算する場合には以下の流れで行います。
<住民税の計算方法>
1.課税所得金額を求める
所得金額-所得控除=課税所得金額
2.所得割額を求める
課税所得金額×10%-税額控除=所得割額
3.住民税額を求める
所得割額+均等割額=住民税額
個人事業主の場合を例に、調整控除などを考慮せず、おおまかに住民税額を計算してみます。
<事業所得400万円、社会保険料控除70万円、扶養家族なし>
1.課税所得金額を求める
400万円-基礎控除43万円-社会保険料控除70万円=287万円
2.所得割額を求める
287万円×10%=28万7,000円 ※税額控除なし
3.住民税額を求める
28万7,000円+5,000円=29万2,000円
実際のところでは、生命保険控除や地震保険料控除、iDeCo、小規模企業共済等掛金控除、あるいは医療費控除やセルフメディケーション税制などの適用を受けられると、住民税の負担を抑えられます。こうした支出がある場合には支払いの証明書類は確定申告まで保管ください。

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